角界を描いたドラマ「サンクチュアリ-聖域-」の人気が止まらない。映像配信元のNetflix(ネットフリックス)は、さらに関心を呼び込もうとJR両国駅内に同作品の広告ボードを設置している。なぜ両国駅で? なぜ夏場所開催中の時期に合わせて置いたのか?など。尽きない疑問を、同社に聞いた。

広告ボードの設置は夏場所初日の14日から千秋楽の28日まで。両国駅の3番ホームには激しい稽古で横たわる「ジャイアント猿桜像」を設置。全長約25メートル、高さ約2・8メートルと巨大なモニュメントはSNSでも話題となっている。

-両国駅内にサンクチュアリの広告ボードを置いた

Netflix サンクチュアリの舞台となる「大相撲の聖域=国技館」の周辺で、何かしらインパクトの大きい宣伝活動を仕掛けたいと当初から考えていました。

-工夫したことは

近年相撲というスポーツは、けっしてメジャースポーツとは言えないと思います。言葉を選ばずに言えば、野球、サッカー、バスケと比べてメジャースポーツではありません。本作は原作のない完全オリジナルストーリー。作品認知と視聴意欲を最大化するために「大相撲を愛する人たちからの熱量の高い会話」を火種にして、発話を促す仕組みが不可欠だと考えていました。

-夏場所開催中に合わせて設置した

配信開始日に近い夏場所のタイミングに、両国駅に着目しました。両国駅をロケハンしてリサーチした結果、3番線ホームが使えることが分かりました。このスペースを思い切りよく使い切って、通り過ぎゆく人が「無視することができない」「思わず誰かに伝えたくなる」インパクトの強い企画を模索し始めました。

-両国駅での広告企画のテーマは

「サンクチュアリ-聖域-」はさまざまな理由から「二度と見ることができない、最初で最後の大相撲ドラマ」だと言い切れます。コンセプトの土台に置いたのは本編と同様に、両国駅においても「二度とできない、最初で最後の大仕掛け」を実現することです。

-ホームで写真を撮ったり、SNSの投稿が目立つ

掲出開始直後からSNS上でも一般の方から驚きの声を多数いただいており、認知と視聴意欲の向上に寄与していると実感しております。夏場所を楽しみにお越しなさる大相撲ファンはもちろん、日々の通勤や通学などで利用なさっているJR様のお客さまたちからも驚きの声が多数SNSに上がっていることを実感しています。

-大相撲への波及も期待できる

我々はあくまでも本作の宣伝活動として実施しておりますが、副次的な効果として「大相撲ファンの創出」にも貢献したいという気持ちをもって仕掛けました。

-具体的には

元大相撲ファン、大相撲に疎遠だった若年層を含めた弊社の映画、ドラマファンの皆さまが、本作をきっかけに大相撲へ興味を持つきっかけになってくれたらと思ってます。実際に両国駅や国技館へ足を運んで大相撲を見たいと思う人が増えたのなら、エンタメ体験以外にも本作を世に送り出した意味と価値があるのではないかと考えています。大相撲の人気に少しでも貢献し、近い未来に相撲をやってみたいという子供や若者が1人でも増えてくれたら。これ以上に喜ばしいことはございません。