大相撲初場所(14日初日、東京・両国国技館)で横綱昇進を目指す大関霧島(27=陸奥)が、二所ノ関一門の連合稽古に参加し、連続26番取って17勝9敗と上々の仕上がりを披露した。6日、都内の高田川部屋で行われた同一門の連合稽古に、一門外の関取衆としては唯一参加。大トリで土俵に上がると、まずは西前頭6枚目の湘南乃海を指名して4連勝した。さらに初場所で大関昇進が懸かる関脇琴ノ若に5勝1敗、新入幕の西前頭15枚目大の里に4勝1敗、東前頭12枚目の隆の勝に2勝1敗と、次々と退けた。ただ、消耗しきったところで最後に指名した小結高安には2勝6敗。それでも収穫が多かった様子で、稽古後は充実感を漂わせた。

「あまり高安関には良くなかったけど、次につながる稽古ができた。負けても、一生懸命力を出すことが大事だから。本当は30番ぐらい取りたかったけど、きつくなってきた。それを乗り越えて30番ぐらい取れるようになれば。昨日(5日)から稽古を始めたところなので、まずは体を戻していきたい」と、時折、笑顔を見せながら振り返った。この日の出稽古は、師匠の陸奥親方(元大関霧島)から「行ってこい」と、背中を押されて決めた。二所ノ関一門の連合稽古は2日連続、部屋を移して7日も行われる予定で、霧島は「明日も行く。明日はもっと(番数を)取りたい」と、意欲的に語った。

ただ、この日も「頑張れば、あと2、3番は取れた」と、体力が尽きたわけではなかった。優勝した先場所前に、1日40番ほど取り続け、オーバーワーク気味になった過去の反省を生かしての判断。その中で、昭和以降3番目のスピード出世となる、所要4場所で新入幕を果たした大の里を指名したのは「体が大きいし、これからが楽しみな1人」と、有望株を育てていく、看板力士としての使命ととらえているようだ。「昨日、稽古を始めたばかりだからね」と、まだまだ発展途上を強調し、8日目に迫った初場所初日へ徐々に調子を上げていくつもりだ。