西前頭2枚目の阿炎(29=錣山)が、場所前の錣山親方(元関脇寺尾)死去も乗り越え、7連勝で勝ち越しを決めた。
立ち合いも計算通りだった。「右のおっつけが強いので、ちょっとずらしていこうと思った」。若元春の右を警戒し、少し左に変化気味。押し込まれても、土俵際で引き落としを決め、最後は相手の足が出るのを確認するかのようにジャンプして残した。物言いがついたが、軍配通りの結果に笑顔を見せた。
昨年12月17日に師匠が亡くなった。阿炎も巡業先から病床に駆けつけ、見取った。永眠した師匠の隣で横になり、朝を迎える日もあった。「場所前も気持ちはちゃんと持って来られたと思っている」。初日から5連敗は喫したが、「ずっと体調は悪くないので体は動いていた。集中出来ていたので、それを続けたおかげかなと思う」と巻き返してみせた。
師匠は結果以上に過程を重視し、努力に寄り添ってくれた男だった。「(師匠には)場所が終わってからしっかり報告したい。明日もあるので一番集中」。千秋楽の平戸海戦にも勝って、手を合わせるつもりだ。【鎌田直秀】

