[ 2014年6月15日7時16分

 紙面から ]前日練習で巧みな足技でボールコントロールする香川(撮影・松本俊)

 日本の10番が、いよいよW杯初戦のピッチに立つ。日本代表FW香川真司(25=マンチェスターU)がコートジボワール戦へ「楽しみしかない」と心を躍らせた。13日の公式練習前には宿舎で大激戦となったスペイン-オランダ戦を観戦。マンU同僚のオランダ代表FWファンペルシーからも刺激をもらった。次は香川が世界を驚かせる番だ。

 みなぎる自信がそうさせるのだろう。決戦前夜。香川はすっきりとした表情で、取り囲む記者の前に胸を張って立った。その俊敏さで、ドイツと英国の世界最高峰リーグで3季連続頂点に立った男。武器でもある小柄な体は、いつも以上に大きく見えた。

 香川

 あとはみんなを信じて、11人みんなで勝つだけ。自分たちのサッカーを追求してきた。それを見せるために来たし、勝つために来た。そういう意気込みで4年間やってきたものを出せるチームだと思う。

 前回の南アフリカ大会はメンバーから漏れ、サポートメンバーで同行。ピッチに立つ権利はなかった。あれから4年。世界の、マンチェスターUの「カガワ」として自身のW杯初戦がやって来る。

 すでに開幕した今大会から、成功へのヒントも得た。公式練習前にレシフェの宿舎で、オランダが5-1で世界王者スペインを破った試合を見た。空を飛んだオランダ代表FWファンペルシーはマンUの同僚。「赤い悪魔」として世界中どこに行っても羨望(せんぼう)のまなざしを向けられる同じクラブの身近な存在。日ごろから「決めるべきところで決める。見習いたい」と意識している。「実力的にはスペインが上だった。でもオランダはみんなハードワークをしていた。ああいう戦いが必要」と言い聞かせた。

 世界を驚かせることができるのか?

 「みんなそう思っていると思う。楽しみしかない。(やり残したことは)まったくない」。世界を知る背番号10が、日本をけん引する。【八反誠】