[ 2014年6月27日7時45分

 紙面から ]リラックスした表情で宿舎から会見場に向かう清武(撮影・狩俣裕三)

 失意の1次リーグ敗退から一夜明け、日本代表FW清武弘嗣(24=ニュルンベルク)ら12年ロンドン五輪世代が、早くも4年後のW杯ロシア大会に向けスタートを切った。チーム解散直前の25日(日本時間26日)に、ベースキャンプ地イトゥのピッチで決意のボール回しを行った。次回大会で主力として期待される世代が早くも決起した。

 敗退から一夜明け、ロンドン五輪世代が早くも再始動した。主を失った誰もいないはずのピッチでポンポンとボールが動いた。清武、山口、斎藤、酒井宏、酒井高、権田に加え、サポートメンバーの杉森、坂井の高校生2人の計8人。輪になりボール回しを行い、軽い自主練習で汗を流した。1タッチ1タッチ決意を込め、確認し合うようにボール回しが続いたという。

 中心となった清武は「ロシアでは自分たちの世代が中心としてやらなきゃいけない。今日も朝、その世代でボール回しをしたし、もうスタートしていると思う」。4年後の大舞台を雪辱の場とするため決起した。

 日本は2年前のロンドン五輪でベスト4まで勝ち上がった。高校生2人を除く6人は当時の代表メンバー。この時は選出漏れしたが、大迫も同世代だ。ちょうど今大会で本田、長友、岡崎ら08年北京五輪世代が主力となったように、4年後はロンドン世代がチームを引っ張る側になる。清武は「(本田)圭佑君や(香川)真司君のような存在に自分もなりたい。4年後に僕がキャプテンマークを巻いてプレーするという目標もできました」と決意を口にした。

 同世代のほぼ全員が今大会は控えに回った。出番がなかった斎藤は「下を向くより、この悔しさを4年後に持っていかないといけない」と奮い立った。4年は長いようで短い。屈辱からいち早くスタートを切った世代が、どん底まで突き落とされた日本の新たな推進力となる。【八反誠】