舞台「SKE48版ハムレット」を取材した。意外にも松井珠理奈(22)にとって初舞台初主演だったが、野島樺乃(17)佐藤佳穂(21)ら若手の台頭が印象的だった。

同舞台は、日本テレビ系冠バラエティー番組「SKEBINGO!~ガチでお芝居やらせて頂きます!~」で、演技のスペシャリストたちから指導を受けたメンバーたちの集大成の公演だった。番組内オーディションを勝ち抜いた松井、野島、佐藤、古畑奈和(22)鎌田菜月(22)高柳明音(27)熊崎晴香(21)北川愛乃(18)末永桜花(17)の9人が参加。松井、佐藤、野島、末永の4人が初舞台だった。

松井のハムレット役は、初舞台とは思えない存在感があった。圧倒的オーラに加え、怒りと狂気を見事に演じ切った様は、まさにはまり役だった。舞台初日となった18日には、テレビ朝日系ドラマ「緊急取調室」(木曜午後9時)で女流棋士を演じた第2話が放送された。新進気鋭の女流棋士を演じたが、こちらもはまり役に見えた。

はまり役といえば、古畑のクローディアスに触れないわけにはいかない。古畑には「SKEBINGO!」放送中から注目をしていた。今回出演したメンバーの中で役に入り込む姿勢は1番だったし、最も声が通っていた。また、鎌田のガートルード役もある種のはまり役。これまでアイドルでは見せてこなかったオデコを全開し、演じ切った。

そんなメンバーの中でも目を引いたのが、野島と佐藤だ。

オフィーリアを演じた野島は今年1月に開催された「AKB48グループ歌唱力No.1決定戦」で優勝。その歌唱力の高さは、今回の舞台で証明された。独唱シーンに加え、古畑や松井とのハモりで歌い上げるシーンは鳥肌ものだった。アイドルとして歌がうまいとは思っていたが、正直あそこまでとは思っていなかった。今回、その実力が本物であることを確認できた。

オフィーリアの兄レアティーズを演じた佐藤は普段お色気キャラを前面に出しているが、今回は男役だった。本人が意識しているかは不明だが、普段のお色気キャラの声とはまた違った太い声がはまっていた。普段のアイドルで見せない一面を存分に見せていた。

野島、末永は7期生、佐藤、北川は8期生。2期生内山命(23)3期生松村香織(29)4期生高木由麻奈(25)らの卒業が発表されているが、“新しい力”が育っていることは確かだ。【川田和博】