ナチスドイツが西ヨーロッパを席巻し、英国が孤立を深めた第2次世界大戦の序盤戦、大西洋を挟んだ米国の参戦を阻んでいたのはUボートの存在だった。
この給油網を破壊するため、チャーチル首相の特命で腕利きのならず者が集められる。MI6の前身となった実在の特殊作戦執行部(SOE)である。連絡係には後に007シリーズを書くイアン・フレミング中佐がおり、主人公のフィリップス(ヘンリー・カヴィル)はジェームズ・ボンドのモデルと言われている。
「ナバロンの要塞」や「鷲は舞い降りた」などの傑作をほうふつとさせる冒険活劇色の濃い幕開けだ。
怪力の持ち主や爆破のプロ、後に女優となる女スパイ…マドンナの元夫ガイ・リッチー監督が紡ぎだすSOEのはみ出し者たちは魅力たっぷりだ。モデルの実在が頭にあるので、劇画チックな活躍ぶりもどこか許してしまう。Uボートに限らずSボートなどドイツ艦も忠実に再現されている。
作戦遂行の綱渡りに、ナチス融和を唱える英軍幹部とチャーチルの摩擦も織り込まれる。エンタメ性の高い快作は、戦況の行方が文字通り紙一重であったことを改めて印象づける。【相原斎】
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