フジテレビ入社3年目の佐久間みなみアナウンサー(24)が、今年4月から週末のスポーツニュース番組「S-PARK」(土曜深夜0時35分、日曜午後11時15分)でメインキャスターを務めている。わずか5カ月の間に、ロッテ佐々木朗希投手(20)の完全試合、メジャーリーグ・エンゼルス大谷翔平選手(28)の初満塁ホームランの現場に居合わせる引きの強さを持っている。11月のサッカーワールドカップ(W杯)、24年のパリオリンピック(五輪)へ向けて日々奮闘する、その思いを聞いてみた。【小谷野俊哉】

★前任の宮司愛海アナから助言

週末のフジテレビの“スポーツの顔”になって5カ月がたとうとする。

「まだ完全には慣れていませんが、どういった視点で競技を1つ1つ見ていけばいいのかを、徐々につかみ始めているのかなという感じですね。元々、スポーツに詳しいタイプではなかったので、一からの勉強でした。ベースの知識がない中でルールを分かっていた競技は、ほぼなかったです。野球だったら、ざっくりとホームにかえってきたら点が入るとか、ホームランとかは分かってはいたのですけれど。サッカーもゴールに入ったら点が入るくらいで、オフサイドのルールとかはよく分かっていませんでした」

入社3年目に入った、今年4月から「S-PARK」のメインキャスター就任。

「就任が決定してから数カ月の猶予があったのですが、まずどこから勉強すればいいのだろうという迷いもありました」

4年間メインキャスターを務めた、前任の宮司愛海アナウンサー(31)からアドバイスを受けた。土曜日は黒瀬翔生アナウンサー(27)、日曜日は中村光宏アナウンサー(38)とコンビを組む。

「宮司さんからは、本当にいろいろ教えてもらいました。まずはスポーツは楽しいものであるべきなので、自分がその楽しさを見つけて心から楽しむことが大切だと。メインキャスターを任されているので、私がイメージを作っていこうという気持ちがあります」

★6月初めてサッカーの試合取材

4月からスポーツキャスターを始めて、すぐに歴史的な現場に遭遇した。4月10日のロッテ佐々木朗の完全試合を千葉のZOZOマリンスタジアムで見届けた。

「『S-PARK』で、野球評論家の藤川球児さんから野球の面白さを視聴者に伝える企画で、試合映像を見ながら藤川さんに解説していただいて、メジャーリーグの大谷翔平選手並みのすごい球を投げる選手が日本にもいるから見に行こうと。それで佐々木投手の登板する試合に行ったんです。途中からすごいことになって、気が付いたら歴史的な試合に立ち会うことになってしまいました。まさか完全試合を見ることになるとは。とても記憶に残る取材になりました」

5月9日には米国アナハイムのエンゼルスタジアムでメジャーリーグ、エンゼルス大谷の初満塁ホームランを見た。

「アメリカでの取材は、藤川さんから視聴者の方々にメジャーのすごさを伝えてもらう企画だったんです。阪神の抑えのエースだけでなく、メジャーでも活躍された方ですから。メジャーリーグ取材は、いろいろな選手や監督にインタビューをさせていただいて、すごく楽しかったです」

6月2日には札幌ドームで行われたサッカーのキリンチャレンジカップ、日本代表-パラグアイ代表戦で、初めてサッカーの試合を取材した。

「野球と異なり忙しい、攻守の切り替わりなどが激しいんです。そのスピード感がすごく好きで、結構楽しんで見ているところもあったのですが、本当に奥深いなと思います」

他にもさまざまな競技の取材を重ねている。

「バレーボール、そしてパリ五輪で競技として採用されるブレイクダンスを初めて取材しました。やっぱりオリンピック競技は全部取材したいな、取材しなければいけないと思っています。新たに採用される競技が、どこまで注目を集めるかも気になっています。サッカーの日本代表とブラジル代表の試合は、取材ではなくプライベートで見に行きました。取材で行く時は、ここを見ておかなきゃ、あとで聞くから集中しなきゃという感じですが、難しいことを考えずに、ただただ純粋に楽しむことができました」

★W杯は冨安健洋に注目

今年11月にはサッカーのカタールW杯がある。注目の選手はプレミアリーグ、アーセナルのDF冨安健洋(23)だ。

「冨安選手がプレーしている姿を実際に見たことがないんです。6月の時は、けがで出場できませんでした。冨安選手が加わることで日本代表がどのように変化していくのか、注目したいと思います。パリ五輪で活躍しそうな選手も、U-23アジアカップの韓国戦で2ゴールをあげた鈴木唯人選手(清水エスパルス)らが、Jリーグを含めどこまで活躍するのだろうというのも楽しみですね」

20年4月に入社と同時に新型コロナウイルス禍に見舞われた。

「コロナウイルスの知識があまりなく多くの方が漠然とした恐怖を持っている時期に入社だったので、みんなと距離を置いて慎重にというのが最優先でした。最初は寂しさもありましたし、それこそ打ち上げなどもできないので、共演者やスタッフの皆さんと、どう距離を詰めていけばいいのだろうと悩んでる時もありました」

アナウンサーを志したのは、タレント活動をしていた大学3年の時だった。

「当時所属していた事務所にフリーのアナウンサーの方がたくさんいて、アナウンサーの方と一緒の仕事も多かったんです。朝の番組でお天気キャスターを務めさせていただき、発声練習だったり、いろいろなアドバイスをいただいて、アナウンサーを志すようになりました」

憧れの先輩は「FNN Live News α」のキャスターを務める三田友梨佳アナウンサー(35)。

「三田さんは、いろいろな立場の人のことを考えて発言されるのですが、自分の意見が必ずしっかりあって、そこをうまく表現できるところがすごいと思います。私は、いろいろなことを試して、その中で自分の本当にやりたいことを見つけていきたい。今はとにかく、カタールW杯、パリ五輪に向けて、ひたすら現場に行って、勉強を積み重ねることしか考えていません」

英語能力テスト、TOEICの945点。12歳から4年間、米国に在住。グローバルな活躍に期待がかかるエース候補だ。

▼学生時代に所属していた生島企画室会長の生島ヒロシ(71)

みなみちゃんに初めて会った時、その目力の強さに驚きました。かわいい顔に似合わず、真剣勝負に挑む侍のような気迫はただ者ではありませんでした。本人は「緊張しました」と言うんですが、テレビで見ていると、それを全く感じさせない度胸満点なところが良いですね。それと、類いまれなる英語力と歌のうまさ。仕事をしていく上で、必ずプラスになります。もっともっと勉強して場数を踏んで、フジテレビを背負って立つ存在になってください!

◆佐久間(さくま)みなみ

1997年(平9)11月18日、名古屋市生まれ。中学1年から高校2年まで米国ペンシルベニア州育ち。上智大国際教養学部在学中に生島企画室に所属して、日本テレビ系「ZIP!」静岡版お天気キャスターを務める。18年「ミスソフィアコンテスト」グランプリ。20年フジテレビ入社。現在は「S-PARK」、「Go!Go!チャギントン」ナビゲーター、「ポップUP!」くろうと番付担当(火、水曜)。趣味はギター、1人映画、1人カラオケ、大食い動画観賞。TOEIC945点、韓国語能力検定初級、食育栄養コンサルタント。156センチ。血液型O。

◆フジテレビ系「S-PARK」

2018年(平30)4月スタートの週末の深夜のスポーツニュース番組。メインキャスターは佐久間みなみアナは土、日曜、黒瀬翔生アナは土曜、中村光宏アナは日曜を担当。松崎涼佳アナが日曜のフィールドキャスターを務める。