宙組「異人たちのルネサンス-ダ・ヴィンチが描いた記憶-」新人公演ヒロインに、2年目娘役の夢白あやが抜てきされた。兵庫・宝塚大劇場は23日、東京宝塚劇場は12月6日。

「正直、構えていなくて…。『うわっ』みたいな…」。まだ2年目。反応が初々しい。今作はレオナルド・ダ・ヴィンチの半生を描く。彼の人生に影響を与えるヒロイン。本公演のトップ娘役星風まどかも5年目と若い。「一緒にがんばろうね」と声をかけられた。

さらに頼もしい先輩がいる。新人主演の瑠風輝。夢白は昨年の組配属後、初出演だった本拠地作「神々の土地」新人公演で、いきなりヒロイン級の役を得た。当時の主演も瑠風だった。

「娘役として、人として、すべての面で尊敬している方。神々-のとき、緊張で倒れそうだったんですが、『自分のやりたいようにやればいい』と言っていただき、緊張が晴れました」

6歳からクラシックバレエを習い、ミュージカルに興味を持っていた。前雪組トップ早霧せいな主演の「ルパン三世」ポスターを見て「かっこいい」とつぶやいた。母が調べ、音楽学校を受験。一発合格した。

「入学して同期お勧めのDVDを見て、『おとめ』(名鑑)は持ち歩いていました」。初観劇は、宙組の「王家に捧ぐ歌」。その宙組へ配属されたのも縁だ。

「宝塚ならではの上下関係は、すごくすてきだなと思う。敬意をもって人に接するなど、1人の人間として学ぶ部分が多かった」

宝塚音楽学校で、整理整頓の楽しさを知った。

「予科生のお掃除ではここに何を置く、など基準があり、家も同じように整頓したら、気持ちが晴れやか、すっきりしたんです」

稽古用スカートにもアイロンをかけると、気分が変わる。同期と劇団近くの河原で星空を見上げて、気分転換。流星群も見たという。「毎回、ガラッと雰囲気を変えられるような娘役に」。人には「夢」が必要だと考え、芸名を決めた。まだ「真っ白」な研2生だ。

◆ミュージカル・プレイ「異人たちのルネサンス-ダ・ヴィンチが描いた記憶-」(作・演出=田渕大輔氏) 舞台は15世紀のイタリア。レオナルド・ダ・ヴィンチの創作の源が、ある女性への愛であったと仮定。彼を取り巻く人々との愛憎を描く。若きダ・ヴィンチは、ルネサンス芸術を開花させたロレンツォに擁護され絵を描いていた。ある時、ロレンツォの愛人カテリーナが幼なじみと知る。

☆夢白(ゆめしろ)あや 8月27日、東京都生まれ。昨年3月入団。宙組に配属され、同8月「神々の土地」新人公演で、本公演ヒロイン伶美うららが演じたイリナに抜てき。今年1月、阪急阪神の初詣ポスターのモデルにも起用された。身長163センチ。愛称「もってぃー」「あや」。