劇団四季を離れて独自活動を始めた演出家浅利慶太氏(82)が7日、演出する舞台「オンディーヌ」(19日~5月5日、東京・自由劇場)の稽古を取材陣に公開した。昨年、自ら創立した四季の社長を退任。今年に入って四季から離れたことも明かした。

 「僕も82歳。四季の全作品をやってきたが、すべてに責任を持つのはもう無理。(経営で)若い人が頑張っているし、安心して任せられる。四季にいると、いろいろなことを管理しなくてはいけないので、芝居の演出だけやりたかった」

 独自活動の第1弾「オンディーヌ」は水の精と騎士の純粋な愛を描いたジロドゥ作品で、1958年(昭33)に初演以来、再演を重ねた。妻の女優野村玲子が主演するほか、四季退団者から在団者まで幅広く出演。今後は自由劇場を拠点に、四季の協力を受けながら、年2、3本のペースで上演予定で、「物忘れもするけど演出だけはぼけない。ジロドゥ、アヌイ、シェークスピアなどストレートプレーに専念したい。芝居はいいものを定期的にやらないといけない」と話した。