五木ひろし(69)と坂本冬美(50)が23日、大阪・新歌舞伎座で、織田作之助の傑作「夫婦善哉(めおとぜんざい)」のけいこを前に、あらためてほれ直したといい、劇中そのものの“アツさ”を見せた。

 「夫婦善哉」は、戦前の大阪が舞台。化粧問屋の若旦那でお人よしの柳吉と、美人でしっかり者の芸者、蝶子が繰り広げる男女の愛を描く。

 五木は冬美に「今、最も美しい、舞台映えする人」とぞっこんで、冬美も「すきのない五木さんが、ちょっととぼけた役柄で、母性本能がくすぐられます。本当にほれすぎて、公演が終わったら柳吉ロスにならないか心配です」と話した。

 五木は76年4月1日、当時は大阪・難波にあった新歌舞伎座で初の座長公演を行い、以後は全国の劇場で座頭を務めてきた。いわば“本拠地”での浪速人情劇に「あらためて感謝の気持ちが強いです」。新歌舞伎座は大阪・上本町へ移転したが、移転後も五木は座長公演を続けており、今公演中の7月18日昼の部の公演で、同劇場1500回出演を達成する。

 新歌舞伎座公演は6月24日~7月23日まで。