東野圭吾氏原作の人気刑事シリーズ完結作「祈りの幕が下りる時」が、阿部寛(53)主演で映画化されることが25日、分かった。来年公開で、TBS系連続ドラマ「半沢直樹」(13年)の福沢克雄監督がメガホンをとる。物語の鍵を握る女性として、松嶋菜々子(43)の出演も決まった。

 シリーズ原作は全10巻で、累計売り上げ1183万部を誇る人気作。8作目「新参者」は、TBS系ドラマ枠「日曜劇場」で10年に放送され、最高視聴率21・0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)となる大ヒットを記録した。その後もシリーズ作品がスペシャルドラマとして放送されたほか、9作目「麒麟の翼」は12年1月に映画化。鋭い洞察力をもつ刑事、加賀恭一郎を主人公としたヒューマンミステリーで、加賀はすべての作品で阿部が演じてきた。

 今作はシリーズの完結編。敏腕刑事加賀の「母の失踪」という、これまでのシリーズで触れられてこなかった主人公の過去に迫り、なぜ優秀な加賀が所轄に居続けているのかを暴く。

 東京・人形町での撮影に臨んでいる阿部は「ここに帰ってくると気持ちが引き締まり、『新参者』をやっていた当時の思いがよみがえります」と、高視聴率を記録したシリーズ1作目のドラマを思い出してしみじみ。「加賀は父親との間に確執があるんですが、今回の話では母親のことも初めて描かれ、さらにそのことが捜査にも絡んでくるという展開です」と、物語の展開に期待を寄せている。

 シリーズ初参加の松嶋は、「長年の人気シリーズに参加させていただくことをとても光栄に思っております。私が演じる浅居博美という役は、悲しい過去を背負った陰のある女性という印象です。レギュラーの出演者の皆さんとともにすてきな作品にできたらと思っております」と、意気込みを語っている。