AKB48グループや乃木坂46、欅坂46などのアイドルグループが生配信するライブ動画配信サービス「SHOWROOM」の前田裕二社長(30)が初のビジネス著書「人生の勝算」(幻冬舎)を発売し、ベストセラーになっている。このほど日刊スポーツの取材に応じた。

 早大政経学部卒業後、外資系投資銀行で3年間働き、13年5月にDeNA南場智子代表取締役に誘われDeNA入り。同年11月にSHOWROOMを立ち上げた注目の若手企業家だ。AKB48にも生配信をしてもらおうと、秋元康氏に半ば飛び込みで接触し「天才」と見込まれ、手を組ませてもらった。堀江貴文氏は「秋元さんから『堀江以来の天才がいる』というから会ってみたら、本当だった」とコメントを寄せている。

 前田氏は「僕は8歳で両親を亡くして、小学生の時から路上で弾き語りをしてお金を稼ぎました。そこでの経験が、SHOWROOMのビジネスモデルの原形です」と話す。弾き語りを立ち止まって聴いた通行人が、ギターケースに気持ち分のお金を入れるのと、SHOWROOMの課金システムは同じだという。「今は、フェイスブックやインスタグラムのSNSが主流ですが、近い将来にデータ通信料が無料化となれば、リアルタイムで他人と交流できて、人のコミュニケーション欲求を満たせるライブストリーミングが席巻すると確信しています」。

 ◆SHOWROOM インターネット上でアイドルやタレントとコミュニケーションができる仮想ライブ空間(ライブストリーミング)。アプリをダウンロードして無料会員登録後は、どの生配信も無料視聴できる。視聴者は、コメント(アバターから発される吹き出しコメント)やギフトアイテムをステージに投げ込む機能(ギフティング)で能動的に楽しめる。ギフトアイテムには有料のものもあり、配信に満足する視聴者が、好きな分だけ課金するシステム。