大竹まこと(68)が、文化放送「大竹まことゴールデンラジオ!」(平日午後1時)の放送10年を記念して、ニッカンスポーツコムの取材に応じたインタビュー企画の第2回は、ラジオ、テレビで政治から社会まで語りながら「俺はコメディアン」と言い切り、人々へメッセージを送る責任と覚悟を語った。

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 -10年続いた「ゴールデンラジオ!」は市井の人々の思いを代弁してきた

 大竹 どうだろうな。俺はバカだから、いろいろなことを言うけども、何に基本を置いているかと言えば、やっぱり聴く人、見る人に笑ってほしい。面白いって思われたいし、常に面白いことをしゃべりたい。笑ってもらえるような角度が見えた時に「これ、しゃべろう」って思うよね。

 -以前の会見で「俺はコメディアン」「あのバカ、またラジオで、またバカなことを言って、いい気になっていると思っていただけて、そのまま放送が続けられたらと」と語った

 大竹 コメディアンって、時代に添い寝する者だと俺は思っているんだよね。時代と添い寝していないと、面白いことは出てこないわけだから。時代と添い寝していた者たちが、時代からズレていくから、みんな死んでいくわけだから、コメディアンに関しては。役目は終わる、人気がなくなるって、そういうことだからね。その辺は潔くて、そういう風に思われなかったりしたら、存在価値はなくなると思っていて。よく番組が終わるだ、終わらないだなんて、ガタガタ言うけど「終わり」って言われたら「は~い」って辞める気持ちでいるんだけどね。

 -自由な発言が制限されたり、時代に寄り添えなくなったら終わりだと

 大竹 いろいろな言い方をすれば、言えないことは1つもない、俺はね。面白い言い方をすれば、言えるんじゃないかと。面白く言えなくなったら、もう俺の時代じゃなくなったっていうか、時代から浮いたっていうか、でも浮いて、浮きまくれば、また求められるけどね、世間は(笑い)。

 -浮きまくる部分とは対極のところに、今回出版された「人の数だけ物語がある。ザ・ゴールデンヒストリー朗読CDブック」(扶桑社)がある

 大竹 そう。ただね、(作品が)真面目じゃん? それが困りモンだって言うんです(苦笑い)。番組の一部、と言うよりは俺の中の一部じゃないかなって思っていて。まだ俺は、お姉ちゃんのおっぱい見たくなったり、街の女が(番組に)来たりするのもいいなって思っているわけだから。あんまり真面目な部分だけに焦点を当てられちゃうと、本当に勘弁してください、そんな男じゃありません、ということですよね。真面目な大竹がいいと言って、あちこちで「どうですか、講演?」とか言われると、逆に困るわけで…。

 次回は、大竹が1歳年上の“親友”、医師で作家の鎌田實氏がMCを務める文化放送の「鎌田實×村上信夫 日曜はがんばらない」(日曜午前10時)に初出演し、対談した様子をお届けします。【聞き手=村上幸将、山内崇章】