今年7月に宝塚歌劇団を退団した元雪組トップスター早霧せいなが、来年5~6月にミュージカル「ウーマン・オブ・ザ・イヤー」(5月19~27日=大阪・梅田芸術劇場、6月1~10日=東京・赤坂ACTシアター)に主演することが2日、分かった。今月5日から退団後初のコンサートを行うが、女優としての舞台は「ウーマン-」が初めてとなる。

 14年のトップ就任以後、宝塚大劇場で主演した舞台は、5作連続で稼働率100%超えという宝塚史上初の記録を打ち立てた人気トップスターだった。それだけに、退団後の舞台が注目されていたが、女優第1作は、ブロードウェーで81年初演の「ウーマン-」に決まった。「シカゴ」「キャバレー」で知られるジョン・カンダー&フレッド・エッブの作品で、トニー賞最優秀スコア賞など4部門を受賞した。

 主人公は人気キャスターのテス。最も輝いた女性に贈られる「ウーマン・オブ・ザ・イヤー」に選ばれ、風刺漫画家(相葉裕樹)と結婚するなど公私ともに順風満帆だったが、取材した亡命中のバレエダンサー(宮尾俊太郎)の思わぬ決断が、テスの心を動かすというコメディー・ミュージカル。82年に鳳蘭主演で「ミズ」として上演された。

 女優としてのスタートに、早霧は「髪を伸ばしたり、スカートをはいたり、話し方が女性の言葉だったり、今までとは違うかもしれませんが、作品を作る上の芯の部分は変わらないと思います」。相葉、バレエダンサー宮尾という男性陣に加え、宝塚の先輩春風ひとみ、樹里咲穂らとの共演にも「人間観察大好き人間としては、とても興味深いです」と楽しみにしている。

 ◆早霧(さぎり)せいな 長崎県出身。01年に宝塚歌劇団入団。06年に新人公演で初主演。14年雪組トップスターに就任。「ルパン三世」「星逢一夜」「るろうに剣心」「ローマの休日」に主演し、17年7月に「幕末太陽傳」で退団。5日から退団後初のコンサート「シークレット スプレンダー」が東京・赤坂ACTシアターで始まる。