宝塚歌劇団の月組トップ珠城(たまき)りょう率いる同組の全国ツアー「鳳凰伝-カラフとトゥーランドット-」「CRYSTAL TAKARAZUKA-イメージの結晶-」が17日、大阪・梅田芸術劇場で開幕した。

 「宝塚の至宝」と呼ばれた故春日野八千代さんがかつて演じた今作の主人公・カラフを演じた珠城は「外は寒くなりましたが、舞台上は燃えるように熱いです。熱い舞台を届けたい」と言い、熱演を見せた。

 「鳳凰伝」は、18世紀の寓話(ぐうわ)劇「トゥーランドット」をモチーフにし、中国の冷たく美しい姫・トゥーランドットに一目ぼれをしたダッタン国の王子・カラフを取り巻く愛の物語を描く。宝塚歌劇では「トゥーランドット」を取り上げた演目を34年に初演。戦後、再演され、春日野さんが演じたカラフが話題を呼んだ。

 その後、02年になって、宙組公演の「21世紀版」として和央ようか、花總まりのコンビで再演され、今回は15年ぶりの再演となった。

 大役の初日を無事に終えた珠城は「全国各地の皆さんが笑顔になっていただけますよう駆け抜けていきたいと思います」とあいさつする途中、何度もコメントをかみ、頭をペコリ。「すいません、ちょっと、安心してしまって」と照れ笑いしながら、おわびした。

 珠城演じるカラフが一目ぼれする気高いトゥーランドット役は、トップ娘役に就いて5年半になる愛希(まなき)れいかが、達者な芝居運びで魅了した。

 ツアーは12月9~10日の千葉・市川市文化会館まで、全11会場33公演を予定している。