松竹芸能に最初に所属した芸人で、大ベテランの音曲漫才トリオ「かしまし娘」の正司歌江(88)照枝(84)花江(81)が来年1月20日、12年ぶりに3人そろって舞台に立つことが14日、決まった。

 舞台は大阪・道頓堀角座で開かれるトークライブ「師匠は鎹(かすがい)」。よゐこ・有野晋哉(45)が7年前から、東京や大阪で、事務所の財産でもある大御所芸人を招いて定期開催してきたもので、昨年の大阪公演で、歌江さんの弟子、正司敏江(77)を招いたところ、かしまし娘へ出演を依頼することを考えたという。

 姉妹3人は、今年2月放送のテレビ朝日系「徹子の部屋」には出演しているものの、芸人の戦場でもある舞台へのそろっての出演は、12年ぶりになる。

 長姉の歌江は数年前から腰を悪くしており、普段は車椅子を使っているものの、体調は良好で、有野のオファーを姉妹3人が快諾。先月末、有野は歌江にあいさつへ行ったといい「口はお達者。お元気で。でも、隣のダンナさんが合間に『それは違う』と言うと、師匠が『そんなことはない』と返し、えらいけんかに…」。夫婦げんかをするほど、元気だったと明かした。

 今回、有野は「大師匠を呼んで1人で仕切れるか不安」だったため、相方の浜口優(45)も進行役に呼んだものの「大師匠のけんかは止められない」と不安げ。ライブには、兄弟漫才コンビの酒井くにお(69)とおる(66)も出演しており、「師匠がけんが始めたら、中間のくにお・とおる師匠に間に入ってもらいます。かしまし娘さんに比べたら、くにお・とおる師匠も若手。僕らペーペーですから」と話した。

 有野は、ライブでは、幼少時から余興に回っていた姉妹が、父からもらっていた小遣いが同額で、歌江が「私だけ着物、お金がかかるのに、損や」と不満に思っていたという逸話の真偽をぶつける覚悟。姉妹げんかに発展する危険性もある上、当日はトーク以外にも、ネタの披露もお願いする予定だけに、有野は「怒られそうな役は、浜口がやってきたから、交渉は任せます」と笑った。

 若手時代、当時芸人が出演していた浪花座で、師匠の芸を見ていなかったり、師匠の小道具の扱いを誤るなど、「怒られっぱなしだった」浜口は「師匠方の貴重な話を聞けるだけでもありがたい」と感謝。かしまし娘については「子供の頃からテレビで見ていた方々ですから…。もう、すごい伝説」と話していた。