昨年末に不倫報道があった女優藤吉久美子(56)の夫、太川陽介(58)が3日、大阪・新歌舞伎座で、歌手神野美伽(52)のデビュー35周年記念の座長公演初日(25日まで)を迎え、終演後の取材会で、今年正月に藤吉、息子とともに京丹後の実家へ例年通りに帰省していたことを明かした。

 「毎年、正月は実家へ帰ってるんで、今年も。彼女(藤吉)は12歳で母を亡くしてるんで、守ってくれる人がいなかった。今回のことで、本当に自分を守ってくれる人がいるって初めて気づいたようです。そういう意味で(報道後)ちょっと変わったかな」。

 報道を経て、夫婦、家族の絆が固くなったと話した。

 夫妻をめぐっては、昨年12月14日発売の「週刊文春」で、藤吉が朝日放送プロデューサーA氏との不倫を報じられ、太川、藤吉が個別に会見し、状況を説明していた。

 太川によると、昨年末の会見前後には、息子を含めた3人で、東京都内のホテルで過ごしたといい、不安がる藤吉に太川が「大丈夫」と叱咤(しった)激励。藤吉も反省した様子で、太川に「今、自分が(太川に)守ってもらっている。初めて気付いた。とても安らいでいる」と告げたそうだ。高校1年になる息子も「彼なりに(母を)守って。だから今、男2人で守ってますね」とも語った。

 夫婦関係は強化されたようで、生活も「変わった」と言いつつも「でもね、洗濯機回すのは僕で、家ではあまり変わってませんけど」と笑わせ、夫婦の日常を取り戻していることものぞかせた。

 京丹後への帰省からは、3人そろって1日に大阪入り。知人との会食を経て、太川は2日に行われた今公演の舞台げいこへ向かい、藤吉と息子は「息子が帰りたいって言うから帰っちゃった。ほんとは見てほしかったけど」と苦笑いしながら口にした。

 今公演は、神野の35周年公演で、芝居「おおきにな~浪花のゆうれい女房~」と歌謡ショーの2部構成。芝居で太川は神野の夫役だが、妻のトラブルに誠意で対処した実生活の夫ぶりとは正反対の設定。「酒とばくちにおぼれるまんじゅう屋の亭主」を演じている。

 座長の神野によると、昨年12月15日、太川の会見翌日がけいこの顔合わせだったといい、初共演の2人は、以来、2週間余り、全力で稽古に臨んできた。

 神野は、太川を取り巻いた騒動を「ニュースに疎いので知らなかった」と笑って振り返り、稽古場では「いろいろあったのに、太川さんがいたから、ここまで(初日の幕)こられた。このご縁、本当によかった」と、節目公演の“助っ人”に感謝した。

 会見の模様は「神対応」と称され、神野からも絶賛された太川は、この日、照れまくり。一方で、自身の会見などの報道は「いろいろ言う人もいるから、極力見ないようにしている」とも吐露した。

 ただ、きっちりと自身の言葉で近況を報告する姿勢については「聞かれたことにはきっちり答える。これは亡くなった会長がそういう人。遺志です。本来あるべきサンミュージックの姿です」。所属するサンミュージックの創業者、故相澤秀禎さんの教えを、今なお守っていることを明かした。

 太川は満面笑みで、座長神野と無事に初日の幕開けを喜び、「いい正月のスタートが切れた。今年はいい年になります」と話していた。