ものまねタレントが本人から公認をもらうのは大変なことのようだ。ものまね界の大御所コロッケ(57)でさえ、そのハードルは高かったという。

 コロッケがプロデュースする東京・麻布十番の「コロッケミミックトーキョー」で開催された、新作ものまね緊急発表会見での話だった。この新作ものまねは、三浦大知の無音ダンスをモチーフにしたもので「ものまね無音ロボットダンス」なる新境地。本格ダンサーとともに五木ひろしのロボットダンスなどを無音で展開するものだった。「もちろん、本人の許可はいただいておりません」と笑ったが、話は五木ひろしのロボットダンスにおよんだ。「五木さんのものまねも、ご本人に認めていただくまでに25年かかりましたから」とその苦労ぶりを明かした。なぜ25年たって認めてくれたのか。それはロボットダンスにしたことだった。「五木さんのものまねをロボットダンスにしたことでエンターテインメント性があるということで認めていただきました」と告白した。ものまねからロボットダンスに進化させることで、新しいエンターテインメントとして確立させた。その結果、五木は認めてくれたという。

 もちろん、いまだ認めてない人もいる。その1人が野口五郎だ。「あれは完全に僕がふざけすぎましたからね。鼻ほじって食べちゃったら、そりゃ~認めてくれませんよね」と頭をかいた。野口に会うと「まだ、生きてたのか」と言われると笑いながら明かした。しかし、やり続けることで、相手が陥落することもある。演歌界の大御所北島三郎は「もう諦めた」と白旗を上げたのだ。そんなコロッケにとってものまねとは何なのか。「喜んでいただく気持ちを忘れないこと」。そうまじめな顔つきで話したが、「ご本人には無理でしょうけど」とすぐに笑顔になった。

 ものまね界を引っ張るコロッケにとって「コロッケミミックトーキョー」は若手育成の場だ。そんな同所は2周年を迎えた。1周年時、「僕はプロデューサーなのでここの舞台には基本的には立たない」と話していた。しかし、スタッフから請われる形でステージに立つことなった。後輩たちに背中を見せるのも育成のひとつだ。どんなエンターテインメントを見せてくれるのか。3月30、31日のコロッケに期待したい。