2004年に女性に薬を飲ませた末、性的に暴行した容疑で起訴されていた米大御所コメディアンのビル・コスビー被告(80)が、再審の結果、3つの訴因で有罪判決を受けた。

 米CNNの報道によると、コスビー被告は1つの訴因につき最高10年ずつの禁固刑を科されるという。12人の陪審員らが14時間におよぶ審理の結果、全員一致で有罪評決に達したが、コスビー被告の弁護士は米USウィークリー誌に、「ビル・コスビーは、絶対に上訴する」とコメントしたという。

 昨年6月に行われた裁判では、原告のアンドレア・コンスタンドさんが2日間にわたり証言。50人以上の女性たちがコスビー被告を性的暴行で告発していたが、そのほとんどは時効が成立しているため、コンスタンドさんの他にもう1人の告発者だけが、訴追のための証言を許された。

 コスビー被告は、自らを弁護するための証言を辞退。裁判所は、陪審団が有罪か無罪かの評決で一致できなかったとして、審理無効の判断を下した。

 米コメディ番組「コスビー・ショー」などで知られるコスビーは、アメリカを代表するコメディアン。テレビプロデューサー、俳優、作家としても活躍し、エミー賞を受賞している。(ニューヨーク=鹿目直子)