7月4日に「東京ルージュ」でデビューする新人歌手、藤井香愛(かわい=29)が24日、大阪市内でデビュー・コンベンションを開催した。

 印象的な低音とハスキーボイスで、デビュー曲など3曲を歌いあげた。遅咲きの新人は「29歳で、デビューは早くないですが、その分どんな場面も対応できる。同世代にも聞いてもらえるような歌謡曲を」と意気込んだ。

 元ギャルで、プロ野球ヤクルトの公認ユニットではつば九郎とも共演。歌手を目指して定職に就かず、カラオケのガイドボーカルや、事務のアルバイトを続けていたという。17年に行われた「徳間ジャパン×ラジオ日本オーディション 歌姫、歌彦を探せ」でファイナリストとなったことがデビューに結びついた。

 東京都出身の藤井は、音楽好きの両親、兄の影響で、幼少時から自然と歌手を志すようになった。高校時代にはギャル雑誌「egg」の読者モデルに。日焼けサロンに通い、髪を盛っていた当時から「ギャルだけど、演歌や歌謡曲の歌手になれたらおもしろい」と考えていたという。

 08年からプロ野球ヤクルトの公認パフォーマンスユニットDDSに所属し、公認サポーターズソングを歌うユニットDAD,Sのメーンボーカルとしても活躍。神宮球場で連日のように歌声を披露していた。「神宮で、たくさんの観客の前で歌えていた。すごいことだな、と感謝です」。以来、プロ野球ファンとなり、各地の球場で観戦することも。歌手となり、始球式や、試合前の国歌斉唱などで野球に関わるという目標も生まれた。「夢ですね。今から練習しておかないと」。

 30歳を目前にし、歌手になれなければ、アルバイト先の不動産会社で正社員になろうとまで考えていた。デビューまで遠回りしたが、さまざまな経験が、歌手としての今につながっている。「29年、このデビューのためにやってきたと思えます」と自信をにじませる。「ここからがスタート。歌謡曲の新しいヒット曲が求められていると思う」と新世代の歌謡歌姫として、デビューに臨む。

 25日には名古屋で、29日には東京で、デビュー・コンベンションを開催予定。