KADOKAWAは、人気ライトノベルシリーズ「ブギーポップは笑わない」のテレビアニメ化にともない、キャラクターデザインについてイラストレーターの緒方剛志氏から怒りの声があがっていた騒動について、社内の情報伝達ミスにより誤解が生じていたと説明し、ファンと関係者に謝罪した。

 騒動が起きたのは今年3月。同作がテレビアニメ化されることが発表された際、原作のイラストを手がける緒方氏がツイッターで、自身が関与していないキャラクターの画像が公開されたことに怒りの声をあげていた。

 KADOKAWAは28日、同アニメ公式サイトで「この度は、本作を応援いただいている皆様に大きな混乱を与えておりますこと深くお詫び申し上げます」と謝罪。問題となったキャラクターデザイン等については、同社が正式に承認したアニメ制作会社「マッドハウス」が企画意図および指示に従って進めていたものだと説明した。

 その一方で同社は「3月末よりの精細な社内調査の結果、社内の情報伝達ミスによりまして、3月末時点で、KADOKAWAよりイラストレーターである緒方先生に対して、設定素材の一部しか確認に回っていなかったことをご報告申し上げます。また情報伝達フローの規定により、マッドハウス様より、緒方先生へのご返答は行えませんでした」とミスがあったことを認め、4月中旬に緒方氏に経緯等を説明したという。「現在では緒方先生に与えてしまった誤解は解消しており、今後の制作進行についてもご承諾をいただいております。また、情報伝達フローに関しても見直しを行いました」と報告し、「本プロジェクトの進捗に関しまして、監督やキャラクターデザイナー及びマッドハウス様の一存で決定された事実は一切ございません。また、監督自身が降板に言及した事実も一切ございません。本件につきまして、KADOKAWAの情報伝達・共有の瑕疵に端を発し、マッドハウス様、そして本作の制作スタッフ各位、緒方先生に対して多大なご迷惑、ご心労をおかけしてしまったこと、重ねて深くお詫び申し上げます」と謝罪した。

 また緒方氏も「本件では、ツイッター投稿で、スタッフへの誤解を招くような発信をし、皆様を混乱させたことに関しては、お詫び申し上げます」と謝罪。「その後4月に編集部、アニメーション部門との打合せをもちまして、今回、私の著作物使用に関する確認と承認のフローが機能していなかったことを認識しました。現在では、その問題も解消されております。今後に関しては、本プロジェクトを原作イラストレーターという立場で応援させていただきます」とした。