日本テレビ系「笑点」の司会などで知られた落語家桂歌丸さん(本名椎名巌=しいな・いわお)が2日午前11時43分、慢性閉塞(へいそく)性肺疾患のため横浜市内の病院で亡くなった。同じ落語家仲間から様々なおくやみの声が寄せられている。

 上方落語の6代桂文枝(74)は2日夜、歌丸さんを「まるで芸の戦士」としのび、「つねに不死鳥のようによみがえってこられましたから、このたびの入院後も、また高座に復帰されると信じておりました」とコメントを出した。そして「酸素ボンベを後ろに置いてまで、落語を演じたはなし家は、後にも先にも師匠しか知りません」「見事なはなし家人生であり、我々にお手本を示していただきました」「師匠に出会えたことが、私には宝物です」などと歌丸さんへありったけの思いを吐露した。

 立川志らく(54)は、3日放送のTBS系「ひるおび!」で桂歌丸さんへの思いを語った。志らくは、かつて立川流ともめた落語芸術協会の会長だった歌丸さんを非難したり、著書で「笑点」を批判するなど、対立していたという。しかし歌丸さんは「ものすごくおおらかで。私みたいな人間を本来だったら『おい志らく、生意気なこと言うんじゃねぇこのやろう!』って、ドンッ!ってやられてもいいのに、会うとニコニコ笑いながら、『談志さんに似てるね』って」と懐が深かったと語った。

 「笑点」で2代目ざぶとん運びを担当したタレントの毒蝮三太夫(82)は、5日放送のフジテレビ系「バイキング」に出演。「笑点」初回から出演した歌丸さんが亡くなり、残るオリジナルメンバーは現在闘病中の林家こん平だけとなったことに「ほとんどいなくなったという感じだね。寂しい」とうなだれた。毒蝮は60年代後半にざぶとん運びを担当し、歌丸さんと共演したが、当時から歌丸さんが病気がちだったことに触れ、「50年くらい前から目方(体重)が少ないの。座布団に乗っけたまんま楽屋に運んだ覚えがある。それくらい軽かった」と振り返った。

 タレントで元落語家の伊集院光(50)は、2日深夜放送のラジオ番組「伊集院光 深夜の馬鹿力」で、歌丸さんの訃報に、「ショックはショックですけど、ある程度、覚悟はできていたので」と触れた。最後に見た歌丸さんの高座を振り返り、「車椅子乗って、鼻からチューブ入れてさ、ギリギリまで酸素入れて。普通に歩いて高座に上がれないから、歌丸師匠の出番の前には緞帳(どんちょう)が下がるわけ。車椅子を押して高座の真ん中まで行って歌丸師匠をセットして、酸素のチューブを抜いて…。言っちゃなんだけど、おじちゃんだしご病気だから、くちゃくちゃだよ歌丸師匠、そんな状態では。でも幕が上がる寸前にシャンとして、1本まるまる落語やるわけ。落語の出来もいいんだよ」と壮絶な様子を語った。そして「その落語自体の力の入ってなさっていうのかな、鬼気迫らない感じとかがすごいかっこよくて」と続け、故人をしのんだ。