7月31日に肝硬変のため、大阪市内の病院で亡くなった浪曲漫才「タイヘイトリオ」のタイヘイ夢路(たいへい・ゆめじ、本名辻本節子=つじもと・せつこ)さんの弟子、漫才コンビ「ザ・ぼんち」が、訃報が流れてから一夜明けた7日、所属事務所を通じてコメントを寄せた。

 里見まさと(66)は「この世界に生まれさせていただいた恩師との別れに、言葉がございません。ほめられたことより、若い頃にしかられた事が、なぜか浮かんできます」とコメント。高校を卒業してすぐ、71年にトリオへ入門した当時へ思いをはせ、師匠をしのんだ。

 一方、もともとは役者志望だったが、高校の同級生まさととともにトリオに師事したぼんちおさむ(65)は「夢路師匠、お疲れさまでした。そして、ありがとうございました。弟子でついてる頃、いろいろ失敗もしましたが、いつも優しく見守っていただきました。ほんとにありがとうございました」と感謝。漫才ブームを経て、いったん役者業へ軸足を置いたころも、温かく見守ってくれた夢路さんへの思いを寄せた。

 夢路さんは、タイヘイ洋児さん、タイヘイ糸路さんとともに、「タイヘイトリオ」を結成。60~70年代に、独特の浪曲漫才として、一世を風靡(ふうび)。「またも出ましたロマンショー」で始まる歌と、漫才で人気を集め、上方演芸史の一時代を彩った。

 ド派手な衣装と、歯切れよいトークで、テレビのバラエティー番組でも活躍した夢路さん。晩年は、NHK連続テレビ小説などにも出演し、女優としても活躍した。一方で、ぼんちの2人や、「レツゴー三匹」を育て、孫弟子も含めて一門には、80年代の上方漫才ブームをけん引した太平サブロー・シローらもいる。