ドナルド・トランプ米大統領が16日に逝去した歌手アレサ・フランクリンさんへの追悼メッセージを巡って、批判を浴びて炎上する騒ぎとなっている。

 ソウルの女王として知られたフランクリンさんは黒人女性シンガーとして公民権運動やフェミニズムに貢献し、70年に渡る歌手活動で18のグラミー賞を獲得している。

 トランプ氏は、「今日はまず私がよく知る家族へのお悔やみの意を表したい。彼女は何度も私のために働いた」と、記者会見の冒頭でフランクリンさんへの追悼を発表した。その後「彼女は素晴らしかった。素晴らしい偉業はこれからも生き続け、今後何世代にも渡って影響を与えるだろう」と続けたが、冒頭の発言が「まるで自分の使用人に対するものみたいだ」「奴隷の所有者みたいな傲慢(ごうまん)な態度」などと、SNSで批判を浴びている。

 フランクリンさんは、ブッシュ元大統領やオバマ前大統領ら過去3回の大統領就任式で歌を披露しているが、トランプ氏の就任式ではパフォーマンスを行っていない。米メディアは、フランクリンさんが80年代後半から90年代にかけてトランプ氏が所有するカジノリゾートで数回歌ったことがあるため、そのことを指しているのではないかと米ピープル誌は伝えているが、トランプ氏はこの件に関してコメントしていない。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)