「ちびまる子ちゃん」の作者・さくらももこさんが8月15日午後8時29分、乳がんのため亡くなった。53歳だった。

さくらさんと同郷で「ももこ21世紀日記」など多数の著書を出版した幻冬舎の見城徹社長(67)が「ちびまる子ちゃん」について「平凡な田舎町の静岡県清水市を描いたことが、子どもから大人まで幅広い人々の細胞の奥に染み込んだのだと思う」と分析した。

清水市が静岡市と合併して清水区になったのは03年。「ちびまる子ちゃん」は74年ごろの清水市を舞台にしており、見城さんも懐かしくなる場面が数多くあったという。「全国で市町村合併が進み、みんなが本能的に大事にしてきた昭和の情景も失った。人は生まれ育った土地で死ぬという、自然な成り立ちが崩れつつある中で、彼女独特の観察眼で家族や友人、社会のあり方を示しながら、ユーモアをあの絵に溶け込ましているんです」と物語の奥底にあるテーマに触れていた。