12年に亡くなった歌舞伎俳優中村勘三郎さん(享年57)の「七回忌追善 偲(しの)ぶ会」が27日、都内で開かれ、歌舞伎、芸能関係者ら約1200人が出席した。

長男中村勘九郎(36)は、勘三郎さんの写真を見上げ「お父さんとは丸6年会っていない。あまりにも突然、せっかちのようにいってしまったものですから、長い巡業に行ってて、ひょっこり、左手をポケットに突っ込んで『ただいま』って帰ってくる気がしてなりません。不思議です」と話した。さらに「父に会いたいなという気持ちが増しましたし、何よりも父が皆さまに会いたいだろうなと思いました。芝居を一緒にしたい人たちだったり、芝居を見せたい人たちだったり…。本当に悔しいです」と、父への思いを募らせた。

七回忌追善興行は「芸術祭十月大歌舞伎」(10月1日~、東京・歌舞伎座)、「十一月大歌舞伎」(11月1日~、浅草・平成中村座)と、劇場を変えて2カ月連続で行われる。

勘九郎は「父の追善を、必ず立つと言ってかなわなかった歌舞伎座と、全霊をかけた中村座、2つの劇場で興行できること、ひとえに父のおかげ、父の大好きな先輩方、後輩、同輩、裏方、スタッフ、父を愛してくださった皆さまのおかげと、深く御礼申し上げます」と感謝した。

次男中村七之助(35)は「父への愛、力を心に刻み10月、11月と、偉大なる諸先輩方の支え、力を借りてつとめ上げることが、父を愛してくださったお客さま、父を愛してくださった方への恩返しだと思います」と、力強くあいさつした。

主な出席者は、坂田藤十郎、扇千景夫妻、中村吉右衛門、片岡仁左衛門、市川左団次、中村時蔵、中村又五郎、中村歌六、市川海老蔵、市川門之助、片岡愛之助、藤原紀香夫妻、中村獅童、中村松江、坂東亀蔵、市川中車、坂東巳之助、中村児太郎、坂東新悟、中村壱太郎、江川卓、富司純子、寺島しのぶ、石井ふく子、笹野高史、でんでん、ラサール石井、いとうせいこう、萬田久子、荒川良々、松本潤、生田斗真(順不同、敬称略)。