映画「カメラを止めるな!」(上田慎一郎監督)に出演した女優しゅはまはるみ(44)が、川栄李奈(23)飯豊まりえ(20)沢尻エリカ(32)小雪(41)らが所属する芸能事務所エイベックス・マネジメントに所属することが5日、分かった。同日、都内のタワーレコード渋谷で行われたブルーレイ&DVD発売イベントで明かした。

しゅはまは「報告があるんですけど…」と切り出した。そして「重大発表ですかね? 12月1日よりエイベックス・マネジメントに所属することになりました! 本当に応援してくれた皆さんのおかげしかないです。皆さんを、ますます楽しい時間を過ごしていただけるように頑張りますので、これからも引き続き応援して下さい」と観客に感謝して頭を下げた。上田監督が「まさか、エイベックス…」と驚くと、しゅはまは「本当にビックリ」と笑みを浮かべた。

しゅはまは、ジャパンアクションクラブの養成所を経て、1992年(平4)から女優として活動をはじめた。96年には研究生を経て劇団東京乾電池に所属し、97年のフジテレビ系ドラマ「成田離婚」などに出演も、24歳だった98年に結婚前提の交際をするため1度、女優業を引退。29歳で結婚し、女優業に復帰後、33歳で離婚し、その後、舞台を中心に活動を続け、17年に「カメラを止めるな!」のオーディションに参加。濱津隆之(37)が演じた主人公・日暮隆之の妻晴美役でブレイクし、大手芸能事務所の目に留まった。

製作費は、わずか300万円ながら、興行収入(興収)30億円超、350館超での拡大公開と日本映画史に残る大ヒットを記録した「カメ止め」の勢いは、無名だった俳優の人生をも変えた。しゅはまが演じた晴美の娘真央役の真魚は、9月に芸能事務所大手のワタナベエンターテインメント入りが決まった。またプロデューサー・笹原芳子役の、どんぐりこと竹原芳子も、9月に映画24区への所属が決まり、6日にテレビ朝日系で放送の「リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~」第8話に厚生労働大臣役でゲスト出演する。

「カメラを止めるな!」は、新人監督と俳優を養成するスクール「ENBUゼミナール」の映画企画第7弾。上田監督が13年に小劇団の舞台に着想を受けて発案した企画を元に、17年4月にオーディションでメインキャスト12人の俳優を選び、映画製作を前提としたワークショップを開催。上田監督が12人を当て書きする形で登場人物を描いた脚本を書き、その直しとリハーサルを繰り返し、俳優とともに作り上げた。

17年11月に東京・新宿K'sシネマで6日間限定で行ったイベント上映で、大きく変わる展開と数多くの伏線が絡む物語を見た観客が“ネタバレ厳禁”の合言葉をSNSで拡散し話題を呼ぶと、国内外の各映画祭で評価されたこともあり、6月23日から同劇場と池袋シネマ・ロサで封切られると、8月からは全国で拡大上映された。

そして第31回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞(日刊スポーツ新聞社主催、石原プロモーション協賛)では、石原裕次郎賞を受賞した。この日のイベントは、4日に受賞が発表されてから、初めて公の場で行われたイベントだった。【村上幸将】