舘ひろし(68)が28日、都内で、クリント・イーストウッド(88)が監督・主演した米映画「運び屋」(3月8日公開)の試写会にサプライズで登場した。出演作以外のイベントに出るのは初めてで「こんばんは、舘ひろしです」とあいさつしただけで、場内はどよめきと歓声が上がった。

映画好きでイーストウッド作品は監督作も出演作も「相当、僕見てます」。イーストウッドについて「お芝居が変わらない。いろんなキャラクターになってその役を演じるのもいいけど、何をやっても同じというのもスターの条件。言い換えれば、石原裕次郎さんのような…」と先輩俳優に重ね合わせた。「運び屋」でのイーストウッドは「年齢を重ねた分だけ、とてもチャーミングに演じていて、すごく好きです。ぐっとくるせりふがたくさんありました」と話した。

同作は、薬物の運び屋を捕まえてみたら90歳の老人だったという驚きの実話を映画化した。前代未聞の事件を引き合いに、自分に起こった前代未聞の出来事を聞かれ、舘は昨年主演した映画「終わった人」でモントリオール世界映画祭で最優秀男優賞、ブルーリボン賞主演男優賞などを受賞したことを挙げ「僕なんかが賞をいただいたことが前代未聞です」。

イーストウッドが演じた自由気ままに生きる主人公について「自由気ままな生き方は似てる。けっこうつらいものがある」と笑わせた。

かつて出演した「西部警察」は、イーストウッドの代表作「ダーティハリー」シリーズから、たくさんのヒントをもらっていることも明かした。

「寺尾(聰)さん(の役が)が持っていた長い拳銃は完全にコピーしてます。歩道橋の上からバスに飛び乗るシーンも。それは僕もやらされました。ギャラは相当違うけど、やってることは同じ」と苦笑いだった。