歌手高橋真梨子(70)が、デビュー47年のキャリアで初のセルフカバーアルバム「MariCovers(マリカヴァーズ)」を6月12日に発売する。

全国ツアーも同16日にスタート。ツアー2日目にはソロ公演の700万人動員を達成する。このほど日刊スポーツのインタビューに応じ、初のカバーアルバム発売に至った経緯や、先月に古希を迎えた心境などを語った。

   ◇   ◇   ◇

ペドロ&カプリシャスのボーカルとして72年に鮮烈なデビューを飾ってから47年。年齢を重ねてもチャレンジスピリッツを忘れない高橋が、初のセルフカバーアルバムを発売する。

78年にソロ転向をしてからの初期9作のアルバム収録曲から11曲を選んだ。

「20代後半から30代前半に歌っていた曲で思い入れの強い作品ばかり。テンポをゆるめてしっとり感を出し、熟成された感じにしました。“今”の高橋真梨子を反映させています」。

初めて作詞作曲した「Mary’s Song」は歌詞を一部書き直した。「あらためて聞いていたら、男女関係の歌詞を入れたくなった。今の感性に合わせて変えました」。昭和から新元号「令和」バージョンへの変更だ。「11曲とも今はレコード店でも売っていないから知らない曲が多いかもしれないけど、当時の私を知らない若い人たちに聞いて欲しい」とアピールした。

6月16日の埼玉公演を皮切りに全国ツアーも始まる。2000人以上収容の大規模ホールで年間25公演以上を続けて41年。これほど“長く太く”音楽活動を続けている女性ソロ歌手は高橋以外にはいない。6月22日の千葉・市川市文化会館ではソロ公演700万人動員を達成する。「昭和から平成、令和と歌ってくることができたのはファンの皆さんのおかげ。感謝の気持ちがすごくあります」。

ツアーに向けて現在は体力づくりの真っ最中だ。入浴中のバタ足で下半身を鍛え、体幹を鍛えるヨガを始め、花粉の季節が終わったら趣味のゴルフを再開するつもりだ。食事にも気を付ける。「肉を食べてタンパク質を取るようにして、最近は体重が2キロ増えた」。すべては「生涯歌い続けたい」という一心を貫くためだという。

オリコンのアルバムトップ10入りや紅白出場など、最近は「女性ソロ歌手の最年長記録」の自己記録を次々と更新し続けている。「これからも頑張ってステージに立ち続けます。70歳になった私をぜひ見に来てほしい」。デビュー47年目を迎えた歌姫はステージにこだわり続ける。【松本久】