演歌歌手松前ひろ子(69)が2日、都内で歌手生活50周年記念コンサートを開催した。

いとこの北島三郎(82)の「(歌手として)いけるな」のひと言を信じて北海道から上京。内弟子生活をへて69年に「さいはての恋」で念願のデビューをはたした。ところが2年後に交通事故で歌手生命を絶たれ、8年後に奇跡のカムバック。「私1人ではここまで来ることは決してできなかった。出会ったすべての皆さんに感謝します」。

夫は作曲家の中村典正氏(83)。「子どもたちは、『売れない演歌歌手の子』と言われて涙を流したそうです。それを成人式にもらった手紙で私は知りました。本当に申し訳ないことをした。それでも子どもはぐれずに育ち、夫は女遊びもせずに私を支えてくれた」とジョーク交じりに家族に感謝した。

約3時間の公演のラストに歌唱したのは、この日のために作った曲「感謝」。「♪あなたに感謝」の歌詞に何度も声を張りあげ、最期はステージで土下座までして約1200人のファンに思いを伝えた。

2月13日に「女一代 演歌船」の発売直後、左足を骨折したという。「それから3カ月たって、左足をかばっていたら今度は右足が動かなくなってしまった。薬を飲んで今日は少し動くようになった」。けがを明かしながらも「でも、これまでには言葉にできないような苦しい時もあった」と笑顔を見せ、「今日ほど、会場にペンライトが光っている日はなかった。私は幸せ者です」と涙を交えながら感謝した。

弟子の三山ひろし(38)と中村仁美(42)も出演をし、師匠の節目の日に花を添えた。