8月31日に放送された俳優遠藤憲一(58)主演のフジテレビ系連続ドラマ「それぞれの断崖」(土曜午後11時40分)の第5話の視聴率が2・4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったことが2日、分かった。 前回までの視聴率は、3・9%、2・2%、2・6%、3・0%だった。

名古屋地区は4・9%、関西地区は3・4%だった。

遠藤が演じるのはコンピューターメーカーに勤める志方恭一郎。深酒して帰った日に、家庭内暴力をふるう中学2年の息子・恭介が殺された報告を警察から受ける。加害者は13歳の同級生・八巻満(清水大登)で、殺人を犯しても少年法で守られ罪には問われない。悲劇の夜、「被害者の父」は酒に酔い、怪しげな店で遊んでいたことが発覚。妻や娘たちに恨まれ、警察からも疑いをかけられる。加えて、加害者少年へ「絶対に許さない」と怒りを爆発させたことで、世間からの容赦ないバッシングを受ける。職を失い、家族の絆がほころび、やり場のない怒りを抱えた「被害者の父」は、息子の無念を晴らすために「加害者の母」で、はかなげな美しさを持つシングルマザーの八巻はつみ(田中美里)に身分を偽り近づいてゆく。作家小杉健治氏の同名小説が原作。

第5話では、死んだ恭介の潔白が証明されたことで、長女・真弓の結婚話が復活した。だが、祝い事をする気持ちにはなれない志方は素直に喜べない。しかし、久しぶりに家族が集まり娘たちに笑顔が戻った志方家。次女の真紀(永瀬莉子)を連れて家を出ていた妻の雪子(田中美佐子)もこれを機に戻ってくる。

「あなた、勝手に出て行ってごめんなさい」

家族に心配かけまいとしていたあなたの優しさを誤解してしまった、と謝る雪子。志方は、はつみを抱いたその手で妻に触れることができず、ただ曖昧にうなずくことしかできなかった。

一方はつみは、弁護士の若菜(内田滋)から呼び出され、少年院で満(清水)が自傷騒ぎを起こしたことを告げられる。「最近、満君の事おろそかになっていませんか?」。男に気を取られている母親の姿に満が動揺しているのではないか…。若菜の言葉にショックを受けるはつみ。クラブのママ(魏涼子)からも「息子を更生させる気がないなら店を辞めてもらうしかない」と告げられ、返す言葉がない。

そんな折、はつみは風邪で熱を出してしまう。はつみのアパートで甲斐甲斐しく、看病する志方。しかし、はつみの部屋に入っていくところを次女の真紀に目撃されてしまう。翌朝、はつみの洗濯物を干そうと窓を開けると、そこにはアパートを見上げている雪子の姿があった。立ちすくむ志方の隣に寄り添うはつみの姿を目撃し、踵を返す雪子。後を追う志方だったが、走り去る雪子の背中に強い拒絶を感じ足が止まってしまう。「今の、奥さんでしょ? 早く帰った方がいいわ」と言うはつみを残し元気なく自宅に戻る志方。そこには、リビングにポツンと座る雪子がいた。

「あの女、誰なの…?」「あの人は…」

彼女が八巻はつみであること、今も自分が志方だと知らないままだということ、そして彼女を好きになってしまったこと。すべてを語る志方の言葉に打ちのめされる雪子。「出て行って…出て行ってください」すべてが崩壊した瞬間だった。

そして、はつみは志方の正体を知ることになる。丹野と名前を偽っていた志方を断崖に呼び出し、問い正した。「あなたは、一体誰なの?」。「俺は志方恭一郎…。君の息子が殺した志方恭介の父親だ」。