NHKは9日、都内で、2021年放送の大河ドラマの発表会見を行い、実業家の渋沢栄一を主人公にした作品「青天を衝(つ)け」になると発表した。

主演を現在、放送中の連続テレビ小説「なつぞら」に出演し、主人公なつの幼なじみの山田天陽を演じた吉沢亮(25)が務める。

また、脚本を大森美香氏が担当する。

渋沢は1840年、現在の埼玉県深谷市に生まれ、幕末に幕臣として仕え、明治維新後は新政府で働いた後、日本初の商業銀行「第一国立銀行」の創立に関わり、頭取となった人物。紙幣や国債などへの紙需要を見込み、大規模な製造会社の先駆けとなった王子製紙の創立のほか、東京海上火災保険、帝国ホテルなど数百もの企業の経営に関わり「日本の資本主義の父」と呼ばれる。1931年、91歳で死去した。

4月には麻生太郎財務相が、1万円、5000円、1000円の紙幣(日本銀行券)を全面的に刷新すると発表。1万円札の肖像画に渋沢栄一を用いると発表していた。発行は24年度上期から。

一方、吉沢は2009年「アミューズ全国オーディション2009THE PUSH!マン」を受賞してデビュー後、11~12年の「仮面ライダーフォーゼ」シリーズで人気を得た。出演ドラマは11年NHK「金魚倶楽部」、14年フジテレビ系「ロストデイズ」、18年日本テレビ系「サバイバル・ウェディング」、映画は17年「銀魂」などがあり、演技力では高い評価を得ている。放送中のNHK「なつぞら」では3日の放送で演じる天陽が36歳の若さで亡くなったが、ネット上で「天陽ロス」という言葉が生まれたほどの人気ぶりだ。

来年20年の大河は長谷川博己が主演で明智光秀を演じる「麒麟がくる」。

◆吉沢亮(よしざわ・りょう)1994年(平6)2月1日生まれ。東京都出身。2009年「アミューズ全国オーディション2009 THE PUSH!マン」を受賞してデビュー。11~12年の「仮面ライダーフォーゼ」シリーズの仮面ライダーメテオ役で注目を浴びる。映画は16年「さらば、あぶない刑事」「オオカミ少女と黒王子」、17年「銀魂」「トモダチゲーム」、18年「リバーズ・エッジ」「ママレード・ボーイ」、19年「キングダム」など。趣味はギター、特技は剣道二段。

◆渋沢栄一 1840年、埼玉の農家に生まれる。幕臣、明治新政府への仕官を経て実業家に転身。パリ留学で株式会社などについて学び、帰国後に日本初の銀行「第一国立銀行」設立に尽力。帝国ホテルや東京証券取引所など約500の企業と約600の社会公共事業にかかわり「日本資本主義の父」と称された。1931年、91歳で没。来年上半期に20年ぶりに刷新される新1万円札の肖像画になることが決まっている。