漫画家永井豪氏(74)の作品などを展示した「画業50年“突破”記念 永井GO展」の内覧会が13日、東京・台東区の「上野の森美術館」で開催された。

67年に「目明しポリ吉」でデビュー。翌年に連載が始まった「ハレンチ学園」が大ブームになった。その後も「デビルマン」「マジンガーZ」「キューティーハニー」など350を超える作品を発表。展覧会では、デビューから最新作までの直筆原稿、カラーイラストなど600点以上を展示している。

取材に応じた永井氏は半世紀以上の漫画家生活を振り返って「漫画家になった当時から『過激』と言われてすごく疑問を感じていた。自分の感覚がおかしいのか、あるいは世の中が固まっているのか。でも、今は世の中の方がよっぽど過激。自分の作品がおとなしく見える」と笑顔で皮肉った。

「過激」だとして漫画雑誌の編集長と「よくケンカにもなった」という。「連載が終わったこともあった。でも、どんな雑誌でも描くところがあれば喜んで描いた。ピンチをチャンスに変えた」と振り返った。

最も印象に残っている作品は「デビルマン」だという。「それまでは、ギャグ漫画ばかりでストーリー漫画を描かせてもらえなかった。テレビと雑誌が同時進行で、波瀾(はらん)万丈に富んだ重い作品です」と説明した。

展覧会は14日から29日まで同所で一般公開される。