先日、5人組男性コーラスグループ、ベイビー・ブーのミニコンサートを取材した。東京・新宿にある老舗歌声喫茶「ともしび」で、オリジナル曲「花が咲く日は」が16カ月連続リクエストチャート1位を獲得するなど一部で絶大な人気を誇るコーラスグループで、毎月、老人ホームをまわりミニコンサートを開催している。

コンサートでは、オリジナル曲「花が咲く日は」の他、「ドレミの歌」「高校三年生」「赤とんぼ」など童謡や歌謡曲を披露。美しい歌声と軽妙なトークで聞く人たちを魅了する。

取材をしていて「取材できて良かった」と心から思うことはなかなかないのだが、ベイビー・ブーは久しぶりにそんな気分にさせられた。ただうまいだけでなく、心がこもった歌声に取材を忘れて聞き入ってしまった。

みどころはそれだけではない。レパートリー約800曲という“人間ジュークボックス”が、リクエストを受けると、即興で曲を披露する。その場で、リクエストに応えられるのかスリリングだが、きちんと応える。

同グループは、02年にメジャーデビュー。05年発売の「一歩ずつの勇気」が30万枚のセールスを記録して注目を集めた。その後、苦しい時期もあったが、11年から拠点の1つにしている「ともしび」での経験がグループの方向性を変えた。それまでのJ-POP中心から童謡や歌謡曲に挑戦するようになったという。

老若男女、聞けば誰でも心に響く歌声を持つと言っても過言ではないくらい魅力的なグループだ。苦労人たちだが、「花が咲く日は」を足がかりにブレークする日も近そうだ。