去年7月に都内の自宅で派遣型マッサージ店の女性従業員に乱暴したとして、強制性交罪で逮捕された俳優新井浩文(本名・朴慶培)被告(40)の判決公判が2日、東京地裁(滝岡俊文裁判長)で開かれ、懲役5年が言い渡された。

新井被告は黒ネクタイに黒のスーツ姿。頭髪には白髪が混じり少しやつれた表情で入廷。証言台の前で「懲役5年に処する」と直立不動のまま判決を言い渡された。

新井被告は昨年7月1日、東京都世田谷区内の自宅で、マッサージ店の女性従業員に乱暴したとして罪を問われていた。今回の裁判では、「暴行を加えたか」「性交の合意があると誤信することはなかったか」の2点が争点となっていた。

裁判長は「暴行を用いて性交したことは認められる」と強制性交罪の成立を認めた上で、判決理由について「合意があったと誤信するとは到底考えがたい」と指摘。「自己の性的な欲求を優先した卑劣で悪質な犯行。厳しい非難に値する」と非難、求刑通りの懲役5年を言い渡した。

判決後の説諭で裁判長は「相当に重い犯罪です。被害者を傷つけた責任はとらなければならない」と指摘。「社会人としての信頼を失いました。失った信頼を取り戻すのは難しいことです。しかし、人生が終わったわけではありません。まずは、責任と向き合い、しっかりと罪を償った後で地道に信頼を取り戻す努力を続けてほしい」と語りかけた。新井被告はその間、背筋を伸ばし身動きせず裁判長の話を聞き、判決後は一礼して法廷を後にした。

公判後、新井被告側は判決を不服として即日控訴。同日、東京地裁に保釈請求し、再度の保釈が保証金750万円で認められた。