23日に肺腺がんのため死去した文化放送の松島茂アナウンサー(享年47)を追悼する記帳台が25日から東京・浜松町の同局本社2階に記帳台が設けられ、プロ野球西武の熱狂的なファン、駅伝ファンなど多数の関係者が詰めかけた。

記帳台には、元気だったころの松島さんの写真が置かれ、訪れた人は神妙な様子で手を合わせた。

同局では朝から、同僚アナウンサーがそれぞれの番組枠で松島アナとの思い出を語り、追悼コメントを残した。

早朝のニュース情報番組「おはよう寺ちゃん活動中」(月~金曜午前5時)のメインパーソナリティー寺島尚正アナ(61)は「死ってどうして悲しいんだろうなあっと思うんです。みんなに平等にあることなんですが、2年前の2月25日に私の母が旅立った。その時も悲しかったのですが、松島君が旅立って今回はそれと同じぐらい悲しかった。思い出は、正月の『おはよう寺ちゃん活動中』に毎年、松島君に出てもらって駅伝の予想をしてくれた。真摯(しんし)に放送に向かった人物で、個人的には彼の実況は湿度が低いというか、歯切れが良くて、大好きだった。でも今は笑顔で天国にいるでしょう」と気丈に話した。

午後の人気番組「大竹まこと ゴールデンラジオ!」(月~金曜午後1時)の担当で同局アナウンス部長の太田英明アナ(56)は「スポーツアナウンサーのエースで野球中継だけでなく、箱根駅伝もラグビーもオートレースも何でもこなせた。日本のラジオ全体の代表としてアテネ、リオ五輪にも派遣された優秀なアナウンサーでした」とたたえた上で「実力のあるアナウンサーは癖が強くて『オレさまはどうだ』という人もいますが、本当に気配りの人で他人に優しい男だった。必ず戻ってオリンピックで池江璃花子選手の金メダル獲得を実況しようと言っていたのに…。残念です」と生放送中に声を震わせて別れを告げた。

野球好きで知られるタレント大竹まこと(70)も松島アナとは親交もあり「ここのところスタジオで見かけなくて…。こういう訃報を聞いて、自分より若い人が亡くなってしまうというのは本当に切ない気持ちになります」と寂しそうに悼んだ。

松島アナは94年に文化放送入社。プロ野球中継「文化放送ライオンズナイター」の看板アナとして西武ファンの間で親しまれた。西武が2年連続リーグ優勝した昨年9月24日のロッテ戦も実況。丹念な取材と落ち着いた語り口で現役選手、OBからも信頼されていた。

通夜は27日午後6時30分から埼玉県川口市川口2の14の1「セレモニー川口ホール」で、葬儀は28日午前10時30分から同所で営まれる。喪主は妻・早苗さん。文化放送本社に設けられた一般向けの記帳台は3月6日まで。平日午前8時~午後8時まで。最終日は午後6時まで。