外出を自粛する「巣ごもり生活」の日が続いています。そんな窮屈な日常の中でも、遊び心や楽しみ、癒やしの時間は常に持っていたいものです。 前向きに、豊かな気分で毎日を過ごすため、日刊スポーツの芸能記者が、おうちで楽しめるエンタメライフを紹介します。えりすぐりの「この一本」をどうぞ。

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世界は第2次世界大戦以来の未曽有の時代で、ウイルスという見えない敵との闘いを強いられている。この闘いを生き抜くのに、お薦めは深作欣二監督の映画「仁義なき戦い」シリーズ。1本と言わず2本、3本…オリジナル5部作。第2次世界大戦後の広島を舞台にした、菅原文太主演の東映実録ヤクザ路線だ。

73年1月公開の「仁義なき戦い」から「仁義なき戦い 広島死闘編」「仁義なき戦い 代理戦争」「仁義なき戦い 頂上作戦」「仁義なき闘い完結編」と74年6月までの1年半の間に公開。レンタル、そして配信でも見ることができる。

今は亡き文太兄い、松方弘樹、梅宮辰夫、山城新伍、渡瀬恒彦、志賀勝、川谷拓三、室田日出男などの、若き日のアグレッシブな姿を見ることができる。

衝撃的な音楽、そして笠原和夫脚本の数々の名セリフ。特に「広島死闘編」で、今も元気な千葉真一(81)が演じた、破天荒なヤクザ大友勝利の「あれらは○○で飯食うとるんで」というセリフは日本の映画史に残る。テレワークで仕事のあり方が問われる今、自分が何のために働き、何で糧を得ているかを考えるきっかけになると思う。【小谷野俊哉】