TBS系「サンデーモーニング」(日曜午前8時)が、10日、放送され、新型コロナウイルスに感染し亡くなった外交評論家の岡本行夫さん(享年74)を悼んだ。

番組冒頭、司会の関口宏(76)が「今回はまず、訃報からお伝えしなければなりません。私たちの仲間、岡本さんがコロナの犠牲となってしまいました」と話し、過去の出演をふり返った。この日リモート出演した政治学者の姜尚中氏は「僕からみると最良の保守のリアリストだったと思うんですね。立場は違ってたんですが、4月2人で会おうと約束していたんですね。会ってゆっくり話したいなという気持ちがあったんですが、あういう(外出自粛の)状態でしたので今回はやめておきましょうとなって、それが電話での最後の言葉になったんですね、痛ましいと同時に残念ですね」。

評論家の大宅映子氏は、岡本さんが外交官引退後テレビ初出演した際に共演したといい、「外交評論家っていうだけじゃなくてビジネスもわかってらっしゃるし、政治のシーンでも実務的にわかってらっしゃる。彼はいつも言っていたけど、日本は発信力が弱すぎると。発信力に対しては欠くべからざる人だったのに。今が一番大事な人だったのに。本当に悲しいです」と悲しんだ。

関口は「私もいろいろ教えていただきました。本当にびっくりしました」と思いを吐露した。

岡本さんはたびたび同番組に出演し、外交問題などについて解説してきた。わかりやすい語り口調が好評だった。岡本さんは3月22日放送の番組に出演し、新型コロナウイルスの影響を受けた米国経済や大統領予備選について解説した他、番組最後の「遺書」というコーナーで財務省文書改ざん問題について「私は長いこと役人をしていました。役人は、最初から徹底的に正確な記録を書くことをたたき込まれます。文書と記録は役人の命です。ましてや、その文書を改ざんするなどとは考えもしません」と語っていた。

◆岡本行夫(おかもと・ゆきお) 外交評論家。1945年11月23日生まれ。神奈川県出身。68年一橋大経済学部卒、外務省入省。経済協力開発機構(OECD)日本政府代表部、経済局、北米局、ワシントン日本大使館参事官、安全保障課長、北米第1課長等を経て、91年退官。96年11月、沖縄担当内閣総理大臣補佐官、98年7月、科学技術庁参与、01年9月、小泉内閣の外交ブレーンとして内閣官房参与に就任した。