夏の甲子園大会中止を受けて、お笑いコンビ、アンジャッシュの渡部建(47)が、日刊スポーツの取材に答えて思いを語った。東京・八王子リトル出身で、著書「ワタベ高校野球の味方です。」もあるなど、大の高校野球ファンとして知られる。

「これだけの大きな全国大会をやる上では、いろいろなことがあるので、やると踏み切れなかったのは理解できます。ただ3年生の球児たちのことを思うと掛ける言葉がない。悔しさをバネに、今後の人生に生かしてとか安易に言えないです。どう励ましていいか言葉が見つかりません。苦しいですが、今回の判断は『人命より大切なスポーツや催し物はない』ということだと思います。もし、これで細心の注意を払って開催して、選手や運営スタッフが感染するとか、関連の方が命を落としでもしたら、なんで強行で開催したんだという話になってしまいます。夏の大会は中止になりましたけど、ある程度収束したら地方大会だけでもとか、秋とか冬にやる動きはあるのではないかと思います。安全第一で、大丈夫となったら試合数を減らすのか、イニングを減らすのかは分からないですが、できるなら大会をしてあげたいです。3年生は、これで全部終わってしまう。そのためにいろいろな事を我慢したのに、こんなことになってしまうとは本当に残念です。高校生活で野球を辞める球児が大半ですけど、これが野球の最後になってしまうとはあまりにもなので、この騒動で野球を今後も続けるという球児が増えてくれればうれしいです。ここで辞めてほしくない気持ちがあります。球児の悔しい気持ち、家族の方の悔しい気持ちは、よくわかります。ただ、医療従事者の方たちの苦労を思うと、大会を開催するということは、いろいろなサポートが必要になり、リスクも増えてしまいます。そして最後に僕らファンは今回の事を、よく覚えておかなくてはいけない、当たり前にある大会じゃないんだということをよく覚えておかなければいけないと思います。春も夏も当たり前に大会があると思っていたけど、こういうことがあるんだと。平和な世の中であるから、高校野球を楽しめていたんだなと思います」などと話した。