俳優市村正親(71)がフジテレビ系連続ドラマ「ルパンの娘」(木曜午後10時)の、10日放送のスペシャルエピソード「ルパンの娘~愛の物語~」にゲスト出演する。

「愛の物語」では、主人公・三雲華(深田恭子)の幼なじみ・円城寺輝(大貫勇輔)とその父の秘められた愛の物語が描かれる。市村が演じるのは、円城寺輝の父・円城寺豪。豪は、華の父親で泥棒一家“Lの一族”の当主・三雲尊(渡部篤郎)がライバル視する世界を股にかける大泥棒。豪はいつまでたっても、婚約者の華と結婚しない息子の輝に業を煮やして緊急来日。それに慌てた輝が、華に1日だけフィアンセになってほしいと依頼し物語が展開していく。

市村は劇団四季出身で、紫綬褒章、旭日小綬章をはじめ数々の受賞歴を誇る日本を代表するミュージカル俳優。今回のドラマ内でもミュージカルシーンが用意されている。

市村は「泥棒の話なのですが、ある種のメルヘンもあるドラマですね。衣装も今までの連続ドラマとは違った趣で、全体に一つのスタイルがありますよね。オファーをいただいた時は、そんな作品の中に僕が出演できる役があるのかなと思いました。そうしたら、円城寺輝の父親役でしたので『あー、大貫(勇輔)君のお父さんならあり得るな』と。僕と同じミュージカル畑ですし、他の回にもミュージカル畑の役者が出ていますからね。僕が輝の父親役で出演するのも当然かな」と笑っている。

「円城寺家は泥棒といっても、ミュージカル系の泥棒ですから。輝は突然歌い出すし、画面には歌詞のテロップが入ったりするのが面白いですね。本当のミュージカルは、ここぞという大事な時に歌うのがいいところなんですけど、輝はすぐ歌うから(笑い)。それもミュージカルのパロディーとして成立するからいいですね」と話している。

共演者について、市村は「大貫くんはよく食事に一緒に行ったりもしているので、本当の息子のような感覚です。彼も僕を慕ってくれていると思うので、芝居もしっかりと作れています。深田さんとは以前、劇中劇みたいな設定で共演しましたが、お会いできるのが楽しみです。渡部さんとは声の出演で共演したゲームのイベントでご一緒したことがあります。渡部さんは僕の衣装を見て『そういうのなんですか?』と驚かれていました(笑い)」。

そして「“Lの一族”の過去も謎ですが、僕は円城寺家としての出演です。その円城寺家に何があったか? そして“Lの一族“とどんな因縁があるのでしょうか。このドラマの中で“Lの一族”が太陽だとすると、円城寺家は月だと思うんです。僕は役者として、みなさんから太陽のようだと言われるのですが、僕自身は月だと思っています。太陽は常にエネルギーを出さなくてはいけないので、月のほうがある意味楽なんですよ。太陽からのエネルギーを反射して輝く天体ですからね。月は古くからたくさんの詩や俳句に読まれています。月の方が悲しみを表現しやすく、人生にもつながるんだと思います。そんなイメージで円城寺家を見ていただきたいです」と話している。

10日放送の「ルパンの娘~愛の物語~」では、華(深田)と和馬(瀬戸康史)、杏(小畑乃々)たち家族に再び平穏な日々が訪れていた。生死をさまよっていた和馬は無事に生還、母親の華が大泥棒一家“Lの一族”だと知ってしまった杏も受けいれてくれた。そして世間に生きていることがばれてしまい追い詰められていた“Lの一族”も、ナターシャ(太田莉菜)や大柄な男(岡元次郎)たち盗賊団を本物の“Lの一族”に見せかけるという尊(渡部)のアイデアで窮地を切り抜けることができたのだ。

その頃、華の母・悦子(小沢真珠)は宝を大放出してしまったことによる“お宝不足”で息も絶え絶えになっていた。そこに息子の渉(栗原類)から新たなお宝「グレース・ケリーの愛したカルティエのダイヤモンドリング」が提案される。悦子は飛びつくが、渉は美雲にプレゼントするのだと言い張る。

そんな時、華と和馬のマンションに円城寺輝(大貫)が現れた。円城寺は華に1日だけフィアンセのふりをして欲しいと頼む。円城寺は突然帰国した父の豪(市村)に、婚約者であった華とまだ結婚していないことを叱られたのだという。突然の無理難題な申し出に戸惑う華と和馬だったが、引き受ける。豪と会った華と円城寺は、結婚式の日取りやドレスをどうするのか問い詰められる。そして円城寺家で花嫁に贈ると決められているリングを華のために盗み出すよう円城寺は言い渡される。それは尊たちの狙っている「グレース・ケリーの愛したカルティエのダイヤモンドリング」だった。