昭和の上方演芸を代表する音曲漫才トリオ「横山ホットブラザーズ」の長男、横山アキラさん(本名・横山彰)が9日午前8時に腎不全のため、亡くなっていたことが11日、分かった。88歳。所属事務所によると、この日、近親者のみで葬儀が終えられた。

のこぎりを鳴らして「お~ま~え~は~ア~ホ~か~」。アキラさんはしゃべくり、コントが主流の演芸界で、希少になった音曲ネタを続けてきたトリオの長男だった。楽団出身の父横山東六(故人)が始めた音曲トリオを、アキラさんが次男マコト(86)三男セツオ(74)を連れて引き継ぎ、マコトのアコーディオン、セツオのエレキギターと合わせたネタで一世を風靡(ふうび)した。

トリオは、17年に大阪市の無形文化財に指定され、長年の功労が評価されたが、事務所によると、その前後からアキラさんは体調を崩しがちになった。近年は自転車で転倒し腰を痛めて、施設でリハビリを重ねていた。アキラさんはもともと、腎臓が悪く、じょじょに体力が低下。最後の舞台は16年10月だったという。

葬儀はアキラさんの家族、マコト、セツオら親族のみで行い、マコトは「いつかまた兄貴と漫才がしたかった」、セツオは「もっと舞台に立ちたかった」と話していた。