漫才日本一決定トーナメント「M-1グランプリ2020」の決勝が今日20日(午後6時34分、テレビ朝日系で生放送)行われる。2日の準決勝を完全チェックした日刊スポーツ東京本社のお笑い担当・小谷野俊哉記者は、錦鯉を本命に指名。昨年ミルクボーイの優勝を的中させた大阪日刊のお笑い担当・星名希実記者は人気コンビ「アキナ」を本命に指名し、“連覇”を目指す。記者2人の優勝予想の抜粋文を再掲します。過去最多5081組の中から準決勝を勝ち上がった9組と決勝当日の敗者復活戦で勝ち上がった1組の計10組、栄冠に輝くのは-。

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<小谷野記者の優勝予想>

◎本命 錦鯉

○対抗 マヂカルラブリー

★大穴 見取り図

<小谷野記者の敗者復活予想>

ぺこぱ    

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新型コロナウイルス感染拡大で笑えない1年をすごした日本国民を、最後に笑かしてくれるのは天然熟成の“おバカ”雅紀を擁する錦鯉だ。ちなみに記者は、準決勝敗退、敗者復活もならなかった16年のM-1グランプリで錦鯉を堂々の本命◎に推した。

あれから4年、錦鯉の優勝する全てのバカバカしい条件がそろった。コロナ禍でテレビ、YouTubeを見まくった日本国民は、上手なお笑いに飽きている。そして「GO TO」なのか「GO&STOP」なのか、ワケの分からない世相の中、真面目に考えることに嫌悪感さえ抱き始めている。

そこで、日本国民を救ってくれるのが錦鯉の雅紀、49歳だ。近頃のお笑い芸人さんは、しっかりした人が多い。ちゃんと学校を卒業して、親の許しを得て、学費を納め、養成所に通い、お笑いスキルを学んでいる。

だが、ちょっと待て。お笑い芸人に本来、求められるのは非日常の住人としての存在感だ。お笑いをやっていなかったら、生きていけない、存在できないと思うほどの面白さ、バカバカしさだ。

平成の時代の初めに記者として、ラッキーなことに松村邦洋(53)江頭2:50(55)という極上の“天然物”に巡りあった。

そして今、長年、お笑い界の沼深く生息してきたのが、錦鯉の雅紀だ。芸風は、はっきり言って“バカ”。理屈なしに笑える。普通のお笑い芸人志望の若者たちが養成所に通っているであろう成人式前後。「二十歳(はたち)の時に童貞で札幌ススキノでホストをやっていた」という経歴だけでもM-1王者にふさわしい。

そして渡辺。雅紀の“ハゲ頭”をピシャリとたたくのだが、このご時世では、そのツッコミも“暴力”と取られかねない。まさに笑いとバイオレンスのはざまでミリ単位、いや0・1ミリ単位で5本の指でスパイクすることで、世のお笑い好きの思いを昇華させている。

ちなみに決勝進出者で、いまだにバイトをしているのは錦鯉の2人だけ。雅紀は水道料金の徴収、渡辺は市場で野菜の仕事。こんな2人に優勝賞金1000万円の夢をかなえてやりたい。

【小谷野俊哉】

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<星名記者の優勝予想>

◎本命 アキナ

○対抗 見取り図

★大穴 オズワルド

<敗者復活予想>

からし蓮根

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優勝の本命はアキナを推す。秋山賢太(37)と山名文和(40)のコンビ。決勝は4年ぶり2度目になる。

大阪・なんばグランド花月で行われた準々決勝で「そういえばアキナの漫才って…」と思ったのを覚えている。大阪でレギュラー番組を多数抱え、MCもこなす。その人気ぶりに「おもしろいのは当たり前」と思っていた。劇場の香盤表(出演順)で名前を目にしていたと思うが、生で漫才を見るのは、もしかしたら準々決勝が初めてだったかもしれない。どんなネタかワクワクした。

実際に見てみると、秋山のツッコミの鋭さ、山名のボケのキレ…。かなりおもしろかった。準々決勝は大トリで出演。後半につれて賞レース芸人が登場し、舞台がより熱くなったが「アキナが最後にすべてを持っていった」と感じた。

帰り道、他社のベテラン記者が「やっぱりアキナは笑いを取ってきよるな」と言っていた。その通りだと思った。気になって他のネタも調べてみたが、どれもおもしろい。さらに、昨年結婚したABC(朝日放送)の塚本麻里衣アナウンサーが第1子を妊娠中で、秋山は来春パパになる。「家族のためにも優勝を-」と思っているだろう。【星名希実】

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▽M1決勝進出コンビ

◆アキナ(吉本興業)

◆マヂカルラブリー(吉本興業)

◆見取り図(吉本興業)

◆錦鯉(SMA)

◆ニューヨーク(吉本興業)

◆おいでやすこが(吉本興業)

◆オズワルド(吉本興業)

◆東京ホテイソン(グレープカンパニー)

◆ウエストランド(タイタン)

◆敗者復活1組