昨年5月に死亡したプロレスラー木村花さん(享年22)の母、木村響子さん(44)が30日、都内で会見してNPO法人「Remember HANA」の設立を発表した。

花さんが出演していたフジテレビ系恋愛リアリティー番組「テラスハウス」について「過剰な演出が原因でSNSに苦情が殺到したためで人権侵害があった」と申し立てていた。この日、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会が「放送倫理上は問題あるが、人格権の侵害があるとは言えない」と会見で発表した。

響子さんは「SNS誹謗(ひぼう)中傷で苦しむ人がいる。皆様に寄付を募ることによって、みんなで解決していこうという思いでやっていきます。具体的には小学校や中学校に行って、SNSの問題解決について話していきたい」と口にした。

6月をめどに設立予定で「現時点で、誹謗中傷に悩んでいる人の相談の窓口が文部科学省にあるのに、それが知られていない。それを広めていきたい。テレビを見て誹謗中傷しても、(それをやった)個人にも責任が生じることを知らせていきたい」。

また響子さんは、「花は優しい子だったので、花だったらどうするかを考えていきたい。誹謗中傷をした人が被害者になることもある。ネットリンチではなく、法でちゃんとしたい。今のままでは被害者だけに痛みが残る」と法改正に意欲を見せた。

そして「誹謗中傷をしていた方からいただいた手紙に『ストレスを感じてやってしまった』と書いてあった。幸せを感じる世の中にしていきたい。花という優しくて魅力的な子がいたよと言うことを残すために、前向きに名付けました」とNPO法人の名前について説明した。

そして「やっと少し形が見えてきた。本当にこれは世界的な社会問題ですし、みなさんも誹謗中傷の被害者、加害者を減らすという活動に協力をお願いします」と話した。