2021年の芸能界でブレークしたり、バズる「急上昇」候補は-。日刊スポーツが注目する新星たちを「2021年『急上昇!』」と題し、随時掲載でお届けします。

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ライダー出身のイケメン俳優が、初めて出演するラブストーリーで奮闘中だ。高橋文哉(20)。役者としてのステップを1歩ずつ踏みしめながら、上昇気流をさらに描いていく。

放送中のTBS系ドラマ「着飾る恋には理由があって」(火曜午後10時)では、川口春奈(26)演じる主人公が働くインテリアメーカーの広報課の新入社員・秋葉亮を演じている。

「ここまでがっつりとラブストーリーに出るのは初めてです。最初はどういう感じなんだろうな? どうしよう…、と思っていたんですけど、現場に入ってすごく感じたのは、リアル感やナチュラル感がすごく大事だなと思いました」

秋葉は、いつもニコニコして笑顔が絶えない癒やし系男子だが、ちょっとドジな一面ものぞかせる。乃木坂46山下美月(21)演じる、同じ広報課の先輩で、着飾らない“低温女子”に恋心を抱き、そんな恋模様は動画配信サービス「Paravi(パラビ)」での「着飾らない恋には理由があって」でも描かれる。

「皆さんが秋葉という役に対して持たれたイメージのまま、最終回までいってくれるんじゃないかなと思ってるので、まっすぐさとかが、本編でも光るものがあればうれしいなと思ってます。もしかしたら秋葉と同じように、マジメだけど失敗しちゃう…という方がいたら、何かこうやったら自分もいけるのかな? みたいな希望を見せられたらうれしいですし、役者として楽しい部分です」

19年から昨年まで放送のテレビ朝日系「仮面ライダーゼロワン」で、主役の飛電或人(ひでん・あると)/仮面ライダーゼロワン役で俳優デビューし、一躍注目される存在になった。約1年半という長期間にわたる撮影をへて、学んだことも多かったという。

「今振り返ると、めちゃくちゃ愛のある現場だったなと思います。『着飾る-』だと台本1ページあたり2~3カットくらいなのですが、ライダーの時は1ページで20~30カットあったんです(笑い)。でも1年間それを続けてくれて、僕たちにお芝居の基礎を教えてくれた場所でしたし、ある時は30テークも撮るくらいこだわって撮ってくれて…。本当にいい経験をさせていただきました」

それまでは同年代のファンが多かったが、親子連れや年上男性など、ファン層も幅広くなった。

「SNSでも、『5歳の息子が今回のドラマを見て、或人社長じゃないって言ってます』と言ってくれたり…。子どもたちにとっては或人社長でいいですし、大人の方には、『或人社長で知った高橋文哉がこれだけ売れたぞ! あのゼロワンをリアルタイムで見てたぜ』って言わせたいんです。そうなることが、皆さんへの恩返しになると思っています」

一方で、ライダー直後のドラマ「先生を消す方程式。」では、田中圭(36)演じる教師を陥れる“ヒール”役を演じた。

「やらせてもらう時に、ライダーシリーズの先輩たちが直後にやられた仕事を調べたんですけど、多くが恋愛ドラマなどで、明らかにインパクトが違ったんです(笑い)。でも事務所にはすごく感謝していて、全然違う角度から演じるのは勉強になりましたし、演じるって楽しい! って素直に思えました。『これから行くぞ!』というエンジンがかかった作品でした」

役を演じる中で、その役に吸い込まれていくような“ゾーン”に入る瞬間が、たまらなく楽しいという。俳優として、さらなる飛躍を目指していく。

「いつか主演の位置にいたいですが、何か作品を見てくれて、自分の新しいお芝居で、常に人々の記憶を上書きしていけるような役者になりたいです」

大の負けず嫌いでもあるといい、まだまだ伸び代も十分だ。【大友陽平】

◆高橋文哉(たかはし・ふみや)2001年(平13)3月12日、埼玉県生まれ。高校時代に芸能界入りし、19年にテレビ朝日系「仮面ライダーゼロワン」で飛電或人(ひでん・あると)/仮面ライダーゼロワン役で主演して役者デビュー。昨年10月には同局系ドラマ「先生を消す方程式。」出演。同12月にファースト写真集「架け橋」を発売。趣味はボウリング、ダーツ。176センチ。血液型B。