米俳優トム・クルーズ(58)が、映画「ミッション:インポッシブル」シリーズ第7弾の撮影現場で昨年、新型コロナウイルスの感染予防対策に従わないスタッフに激怒して罵声を浴びせる音声が流出した件について初めて真相を語った。

「今度やったらクビだ」などとソーシャルディスタンスを守らずにモニターチェックをしていたスタッフ2人にブチ切れたクルーズが昨年12月、放送禁止用語を交えて汚い言葉で怒鳴る様子を英サン紙が報じ、大きな反響を呼んでいた。

13日に発売される英エンパイア誌のインタビューにこのほど応じたクルーズが、音声について「言った通りだ」と語って事実を認めたとロサンゼルス・タイムズ紙が伝えている。

クルーズは事実を認めた上で、「当時は危機的な状況だった。一緒に仕事をしている人たちのこと、業界全体について考えていた。そして、私たちが撮影を再開したことで救われた気持ちになるすべての関係者のことを」と釈明。「すべての感情が私の心を通り抜けていった。とても感情的になり、(問題の発言を)言わなければならなかった」とコメントした。

主演だけでなくプロデューサーも務めるクルーズは、作品に対する責任のみならず、業界全体の未来をも背負って闘っていた苦悩を明かした。しかし、そのかいあって今も撮影を続けられていると語っているという。

同作は当初は今年11月に全米公開予定だったが、夏公開予定の主演作「トップガン」(1986年)の続編「トップガン マーヴェリック」が11月に延期されたことを受け、来年5月まで公開が延期となることが発表されている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)