橋幸夫(78)が4日、都内で記者会見し、23年5月3日の80歳の誕生日をもって歌手を引退することを表明した。

昭和を代表する歌手の会見とあって、NHKを含めテレビ各局のカメラ9台がズラリと並んだ。姿勢良く現れた橋は、駆けつけた多くの報道陣に感謝した。そして「昨年からのコロナの影響と思う。歌う場が激減して、喉の筋力が衰え、専門の病院で持続的に毎日発声練習をやっても、元に戻るか難しいと言われた。40代、50代のころの馬力を維持できにくくなると判断した。僕は自分をごまかしたりするのは性格的に合わない」と、80歳を節目に引退を決意したという。御三家として活躍した舟木一夫や西郷輝彦とは最近話はしていないという。橋は「こういう時こそ、話をしてみようかなと思う」としんみりと話した。

芸能界引退ではなく「寿命がある限り、命を大切にして、新しい夢に向かって行きたい。俳優業はオファーがあったら受けます。時代劇なんかはやりたいなと思う」と話した。あとなかなかできなかった書やスプレーアートを積極的にやりたいと話した。

引退の日までコンサート活動は続け、応援してくれたファンに感謝の意を表したいという。会見の最後には「命ある限り、生きて行きます」と元気いっぱいに話した。

橋は60年に17歳で「潮来笠」でデビュー。62年には吉永小百合とデュエットした「いつでも夢を」で第4回日本レコード大賞を受賞。66年にも「霧氷」で2度目の大賞を獲得した。「恋をするなら」「恋のメキシカン・ロック」「子連れ狼」などヒット曲は多数。NHK紅白歌合戦には19回出場している。