「第42回BKラジオドラマ脚本賞」(NHK大阪放送局主催)が決定し、表彰式と記者会見が4日、同局で行われた。応募総数は141編だった。最優秀賞は該当作がなく、佳作に2作が選ばれた。

佳作第1席は東京都の自営業、佐佐木れんさん(39)の「シャッター」。東京でウエディングフォトグラファーをしている主人公の女性が母が倒れたとの連絡を受け、6年ぶりに地元・大阪に帰ってくることから物語は動きだす。主人公は幸せな人たちを撮ることのプレッシャーでシャッターが切れなくなる悩みを抱えていた。

佐佐木さんは「脚本を書くことをあきらめずにやってきてよかった。まだまだ未熟な部分もあるので、これからも勉強を続けながら、シナリオを書き続けたい」と話した。作品はラジオドラマ番組「FMシアター」で全国放送される予定。

もう1つの佳作には、奈良県の主婦、阿部奏子さん(49)の和歌山が舞台の「赤い花 白い花」が選ばれた。阿部さんは「落選が続き、もうダメかと心が折れかけたとき、ある方の『続けてよかったと思うときがある』という言葉を支えに書いてきた。この受賞は出口のないトンネルを歩いていた私には、光明そのものです」と声を震わせた。