米人気ラッパーのヤング・ドルフさんが17日正午すぎ、故郷のテネシー州メンフィスで何者かに射殺された事件で、警察は監視カメラの映像を公開し、犯人逮捕への協力を呼びかけている。

ドルフさんは、クッキーを買うために地元で有名なクッキー店を訪れたところ、店内で車で近づいてきた何者かに撃たれ、その場で死亡が確認された。36歳だった。

地元警察が公開した映像には、拳銃を手にするマスクと黒っぽいパーカーのフードで顔を隠した男性2人の姿が映っており、発砲後にメルセデスベンツで逃走する姿も残っている。

容疑者の情報や動機など事件の詳細はほとんど明らかになっておらず、地元メディアによると熱狂的な一部ファンが冷静さ失って現場となったクッキー店に乗り込むなどしたことから、報復的暴力が起こる恐れがあるとして夜間禁止命令が出されるなど緊迫した状態が続いているという。

「Major」「RNB」などのヒット曲で知られるドルフさんは、昨年リリースしたアルバム「Rich Slave」がビルボ-ドのアルバムチャートで4位に輝いて注目を集めていた。ガン患者の慰問など慈善活動にも熱心なことで知られ、地元の人々に愛されてきたドルフさんは、毎年11月末の感謝祭に地元住民にターキーをプレゼントしており、今年も教会で来週配る予定だったという。

突然の訃報は音楽業界にも大きな衝撃が走っており、ドレイクやメーガン・ザ・スタリオンらがSNSで追悼の意を表している。(ロサンゼルス=千歳香奈子)