英国のヘンリー王子(37)とメーガン妃(40)夫妻が30日、新型コロナウイルスの誤った情報を拡散しているとして物議を醸す音楽配信大手スポティファイに関する声明を発表した。

2020年12月にスポティファイと2500万ドル(約28億円)で複数年にわたる大型契約を結んでいる夫妻は、自身の財団アーチウェルの公式サイトに「昨年4月からスポティファイにおける誤った情報に懸念を表明していた」と述べている。

スポティファイを巡っては、反ワクチン派として知られるジョー・ローガンの大人気ポッドキャスト番組を配信していることが問題視され、「ワクチンについて誤った情報を広め、それを信じる人に死をもたらす可能性がある」とロック界の大御所ニール・ヤング(76)が苦言を呈し、自身の楽曲の配信停止を要求するボイコットに発展していた。「ローガンかヤングか、どちらか一方だ」と選択を迫ったヤングに賛同するアーティストも出ており、世界で平等にワクチンを配分するよう訴え、ワクチン接種を促進する慈善コンサートにも出席している夫妻が何も対応しないことに不満の声が出ていた。

これまで沈黙を守ってきた夫妻は、「アーチウェルを設立以来、私たちはリアルタイムの世界的な誤情報の危機に対処することに取り組んできました。何億人もの人が、毎日横行する誤情報や偽情報に深刻な被害を受けています」とコメント。

その上で、スポティファイのパートナーに対してプラットフォーム上の新型コロナウイルスに関する誤った情報が現実的な結果を引き起こしていることを懸念すると表明してきたと述べ、「スポティファイがこの事態に対処することを期待し、そうなるよう一緒に仕事に取り組んでいく」と締めくくった。

騒動後もスポティファイはローガンの番組の配信を続ける姿勢を崩しておらず、今回のヘンリー王子とメーガン妃夫妻の声明への対応が注目される。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)